日本代表が帰国した5日、西野朗監督らと成田市内で会見した日本サッカー協会の田嶋幸三会長は、満足そうな表情を浮かべていた。「1パーセントでも勝つ確率を上げたいと大会に入った。西野さんも、小さな奇跡を起こしたいと言っていた。その中での16強入り。誇りに思う」。
敗退が決まった翌日の3日。キャンプ地カザンの取材エリアを本田がゆったりした足取りで通り過ぎた。現地最後の取材に感極まる選手も多かったが、「昨日しゃべったんで」と沈黙。
ハイテンポでプレーの強度もレベルの高い好ゲームだった。ゴール前の見ごたえのあるシーンは多くはなかったが、戦術的な駆け引きが散りばめられていた。特にコロンビアは、ロドリゲスを欠くなかで、素晴らしいサッカーを展開した。
世界トップクラスのベルギーを瀬戸際まで追い詰めた。だが、最後は強国の「本気」に屈した。それでも、大会前には1次リーグで3戦全敗もあり得るとの声さえあったチームが、前評判を大きく覆す善戦。初のベスト8を一瞬、夢見るまでに至った。
日本代表の熱戦を終え、暑かったロストフナドヌーからモスクワに戻ると、どんより曇り、秋を思わせる涼しさだった。 優勝候補の一角を相手に、ベルギー戦は本当に見事な戦いをした。「守備をベースに速い攻撃を繰り出す」という「弱者の論理」ではなく、堂々と自分たちのいち…
西野監督率いる日本代表は開幕前の低評価を覆し、16強入りを果たした。準備期間の短さなどを問題視され、W杯開幕前の強化試合でもなかなか結果が出ないなど、迷走したチームはどう立ち直り、2大会ぶり3度目の“快挙”にたどり着いたのか。その原動力とは。
強国ベルギーをギリギリまで追い詰めた日本。しかしベスト16の壁は今回も超えることはできなかった。優勝候補の一つに挙げられるベルギー相手に日本が見せた戦いは、進むべき未来が見えるものだったのではないか。
日本にとって、この上なく素晴らしい試合だったことは間違いない。ベルギーを追い詰めた姿は多くの人に感動を与えたと思う。それでも、最後は逆転負け。それが世界との差だ。 90分間をどう終えるかは、本当に難しい。
10対70。これは大会前に発表されたFIFAランキング、スペインとロシアそれぞれの順位だ。この数字は指標の一つでしかないが、両国の間にはサッカーの歴史、現時点での実力、それぞれに埋めることのできない大きな「隔たり」が存在していたことは疑いようもなかった。
日本人サポーターが試合後に観客席のごみ拾いをする姿が称賛され、各国ファンに広がっている。セネガル戦前日の記者会見では日本の吉田が「日本には『来た時よりも美しく』という美学があるので」と補足説明し、話題になった。
今大会は、集中して守ってボールを奪ったらカウンターというチームが多い。スペインを苦しめたロシアもしっかり守っていた。クロアチアにPK戦の末に敗れたデンマークもそう。守備を徹底しながら、持ち味の高さを生かそうとしていた。
伝説のミーティングがある。西野監督がG大阪を指揮した2008年12月。クラブW杯準決勝でマンチェスター・ユナイテッドと対戦した。試合直前のロッカールームで、指揮官は対戦相手のボードを指さし、とつとつと「テベス、C・ロナルド、ルーニー…」と相手選手の名前を一…
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