7月5日

<中西哲生 Russia>戦術は素晴らしかったコロンビア

 ハイテンポでプレーの強度もレベルの高い好ゲームだった。ゴール前の見ごたえのあるシーンは多くはなかったが、戦術的な駆け引きが散りばめられていた。特にコロンビアは、ロドリゲスを欠くなかで、素晴らしいサッカーを展開した。

 試合の中で、立ち位置やシステムを変え、イングランドの強みを出さないように戦った。イングランドが攻撃の組み立てに入ると、右DFのウォーカーにボールを持たせないように動いていた。プランAがダメならプランB、さらにプランCと、いくつもの戦い方を準備しているところは日本も参考にしたい。

 ただチームとして完璧だったとしても、個人がメンタルコントロールできないところが、重くのしかかった。判定に対して感情を抑えきれず、不必要なファウルにつながった。

 イングランドも新しい選手が出てきて、今までとはひと味違う楽しみなチームになった。ケーンという絶対的なストライカーがいる。1試合で2本のPKを蹴るのは非常に難しいが、落ち着いて2本とも成功させた。24歳とは思えない頼もしさがある。

 ただ決勝まで行くには足りないものを感じる。プレミアリーグで活躍しているリンガードやスターリングは、それほど目立っていない。その個性を発揮させるような気の利いた選手がいないからだろう。コロンビアのように、いくつかのプランを使って個性を引き出せれば、優勝のチャンスはあると見ている。

 (元名古屋グランパスMF)

中スポ 東京中日スポーツ

※ご利用のブラウザのバージョンが古い場合、ページ等が正常に表示されない場合がございます。

速報
ピックアップ
コラム・評論

Search | 検索