7月15日

<ゴールマウスから 楢崎正剛>「次は俺だ」の気概を持って

 一発勝負の決勝トーナメントに入ってからは地力があり、手堅くミスのないチームが勝ち上がった印象だ。上位のチームはここぞの瞬間でパワーや集中力を発揮していた。試合を通じて内容がそれほどでも、一つのプレーで勝利に持っていってしまう強さ。1回戦で敗退した日本よりも一段レベルが上にあるように感じた。

 Jリーグ内だけで見れば、そうした力を持つチームもある。ただ日本代表として世界基準で発揮できるか。欧州チャンピオンズリーグで常に戦っているような選手は毎年高いレベルでしのぎを削っているからこそ、W杯の舞台でも実践できるのかもしれない。

 GKでいえば、今回川島は十分に日本のゴールを守る力があったが、もっとポジションを争う選手が増えないといけない。J1は名古屋を含めて多くのクラブがGKに外国人を起用する現状がある。日本人でも外国人に遜色ないと思う一方で、評価をする側が満足していないということなら自分としてもふがいない。

 GKをやる子ども、選手には「次は俺だ」と思ってほしい。今大会でGKがミスをした時に世間からたたかれたように、決していい商売に思えないかもしれないけど、ミスだけに目を奪われる必要はない。ミスはどの選手、どのポジションにも起こり得る。

 私も控えで経験した1998年フランス大会で「次は俺だ」と思って、その後の大会につなげた。そう思う選手がたくさんいて、しのぎを削ることでレベルが底上げされていく。

 フィールドプレーヤーも同様だ。今回国内組で主力として戦ったのは鹿島の昌子だけなのは寂しかった。もっとJリーガーもばりばりやれると思う。代表から落選した選手や、ロシアで控えに甘んじた代表メンバーが、悔しさや経験を18日から再開されるリーグ戦にぶつけてほしい。 (元日本代表、名古屋グランパスGK)

中日新聞 東京新聞

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