7月2日
<番記者メモ>西野監督「伝説の演説」をもう一度
伝説のミーティングがある。西野監督がG大阪を指揮した2008年12月。クラブW杯準決勝でマンチェスター・ユナイテッドと対戦した。試合直前のロッカールームで、指揮官は対戦相手のボードを指さし、とつとつと「テベス、C・ロナルド、ルーニー…」と相手選手の名前を一人、一人読み上げたという。一瞬の静寂の後、こう選手に呼び掛けた。
「俺たちが、こいつら相手にサプライズを起こそう。自エンド(自陣)に11人が下がらずに戦うぞ」。当時は遠藤を筆頭に二川、明神とクールな選手が多かった。守備的戦術かと思っていたら、指揮官から“一歩も引くな”と鼓舞され、この時ばかりはチームの熱が一気に沸騰したという。
当時のメンバーの一人、ルーカスさんは昨日のことのように鮮明に振り返る。「胸の内が『うぉー』ってなったね。やってやるぞって。あの試合前のミーティングは語り草さ」。ど派手な打ち合いの末、3−5で敗れたが、深く脳裏に刻まれる一戦となった。
日本史上初のベスト8進出を懸けたベルギー戦。伝説の演説がまた、生まれるかもしれない。 (占部哲也)
