羽生、絶叫締め「ありがとうございました」

2018年2月26日

エキシビションを終えリンクを後にするとき、「ありがとうございました」と叫ぶ羽生結弦(田中久雄撮影)

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 フィギュアスケート男子で五輪連覇を達成した羽生結弦(23)=ANA=が25日、江陵アイスアリーナでのエキシビションに参加。大トリで「ノッテステラータ」を華麗に演じた。イベント後、所属するANAスケート部の城田憲子監督(72)が取材に応じ、挑戦を明言しているクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)について言及。来季中の成功に期待していると語った。

 決して夢物語ではなさそうだ。かつて日本スケート連盟の強化部長として幾多の選手を育て、現在は羽生をサポートしている城田監督。羽生が次なる目標として掲げている前人未到の大技挑戦について問われると、迷いなく言った。

 「けがが治らないと始まらない。でもけがさえ治れば…。来シーズンでの4回転アクセル成功を期待しています。もちろん試合で、です」

 男子としては66年ぶりの五輪連覇を達成した翌日、羽生は「モチベーションは4回転アクセルだけ」と発言。実際に今回のエキシビション前の練習でも大きく跳んで、挑戦を開始したように見えた。ただ、それは誰も成功したことのない大技。実際は可能性が低いかと思いきや、名伯楽は「彼はアクセルが一番得意。4回転は難しいけど、彼にはできると思う」と来季中の成功に期待した。

 苦闘の舞台裏も披露した。昨年11月のNHK杯前の転倒で右足首を痛めて、ぶっつけ本番での五輪出場。けがをした直後は軽症と診断されるも、いつになっても痛みが引かなかったこと、さらに1月は痛いまま氷上練習を再開したこと、そして1回転ジャンプしか跳べなかった1月初旬、城田監督に「どんなことがあってもやる。絶対に五輪で勝ちます」と宣言していたことを明かした。

 「本当に有言実行。彼の持っている力と自分を信じる気持ちはピカ一。なかなかこんな選手と出会えない。きょう(のエキシビション)は感慨深いものがあった」と話した城田監督は、欠場が予想される3月の世界選手権(イタリア・ミラノ)について、帰国後の状態次第と明言を避けた。まだ完治はしていない。ただ、次なる有言実行の日はそう遠くはなさそうだ。 (兼田康次)

中スポ 東京中日スポーツ

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