宮原ノーミス4位 4年後の北京で「今度こそメダルを」

2018年2月24日

女子フリーに臨む宮原知子。リンクには無数のブレードの跡が=江陵で(共同)

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 女子フリーで、ショートプログラム(SP)4位の宮原知子(19)=関大=が自己最高の146・44点をマークし、合計でも自己ベストを塗り替え222・38点で4位に入った。SP5位の坂本花織(17)=シスメックス=は136・53点の合計209・71点で6位。SP首位の15歳、アリーナ・ザギトワが合計239・57点で制し、OARに今大会初の金メダルをもたらした。世界選手権2連覇中のエフゲニア・メドベージェワ(OAR)が238・26点で2位。昨季世界選手権2位のケイトリン・オズモンド(カナダ)が231・02点で3位に入った。

 天に向かって両腕を突き上げると、今度は左の拳を握り締めた。宮原がこれまで見せたことのない派手なガッツポーズ。「やれることはやりきった。ここまできたらメダルが欲しい、と思ってガッツポーズした」。得点はフリー、合計ともに自己ベストを更新。「チャンスはあるかもしれない」。暫定トップに立った直後はこう思ったが、直後の3人に抜かれて結果は4位。あと一歩でメダルを逃した。

 「みんなすごくいい演技で、やっぱり勝つにはもう一歩だなと。悔しい気持ちもあったけど、もっと頑張るしかない」

 冒頭の3回転ループを決めると、すべてのジャンプを成功させて加点もついた。フリーの146・44点は三原舞依(シスメックス)の146・17点を抜いて日本人歴代最高。エースとして、最高の自分を表現できた。

 「あの子がよくここまできた。心技体の心が大事なんだなって」とは小学2年から指導する浜田美栄コーチだ。同コーチによると、宮原は究極の運動音痴。たまに息抜きで教え子たちとテニスをすれば面を横にして空振りして、バレーボールをすればサーブで空振りする。「みんな知子と一緒のチームにはなりたくないって」。そんな少女は究極の努力家でもあった。

 「何が欲しい?」。中学1年のとき、母・裕子さんが誕生日プレゼントを聞くと「レッグマジックがいい」とトレーニング機器をリクエストして驚かせた。最近では左股関節疲労骨折でリハビリをしていた昨年、自転車型トレーニング器具を購入した。スケートが好きで、スケートにいいと聞けば何でも挑戦してコツコツとやり続ける。だから最初はできなくても、気がつけば誰よりも上手になっている。「努力はウソはつかない」の生きた見本だ。

 「4年後はぜひ五輪に戻ってきて今度こそメダルを取りたいという気持ちが強くなった」。関大高時代の卒業論文のテーマが「五輪に魔物はいるか」。「いなかったですね」と笑った日本のエースの4年後は23歳。「努力の天才」は、きっと一歩ずつ成長を遂げて帰ってくる。 (兼田康次)

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