<フィギュア総括>日本の男女層厚く
2018年2月25日23日に全種目を終え、日本は男子で羽生結弦(ANA)が金、宇野昌磨(トヨタ自動車)が銀とメダル二つを獲得。長年エースとして引っ張ってきた浅田真央が引退した女子も、宮原知子(関大)が4位、坂本花織(シスメックス)が6位と健闘。ソチに比べ、男子、女子とも選手層が底上げされた印象を与えた。
男子は羽生、宇野とも4種類の4回転ジャンプを身に付け、技術点が青天井で伸びていく現代スケートに対応した。宇野は今季は個人戦の6戦すべてで2位以内。羽生が「国内でも、うかうかできないと思った」と語るように2人で競い合い、レベルアップにつなげた。ISUは来季から各技につく出来栄え点(GOE)を7段階から11段階に増やす方針だが、2人のジャンプは見栄えもよく、日本の覇権はしばらく続きそうだ。
初出場の女子2人はショートプログラム、フリーともに大きなミスなくジャンプをそろえ、激しい国内の選考争いを勝ち抜いた力を証明した。
一方で宮原と、ロシアから個人資格で出場した上位2人は15点差以上。ジャンプを基礎点が高まる後半に集めたり、両手を上げたジャンプでGOEを稼いだりする大国の戦略に後れを取った。
日本を含めて世界ではジュニア世代の女子が大技のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)や4回転を構成に入れ始めている。新時代の到来も見据え、小林監督は「各選手のコーチと連携を取りながらロシアを追い掛けていきたい」と意気込んだ。 (原田遼)