宮原、万感の4位 自己新222.38点「4年後こそメダルを」
2018年2月24日
女子フリーの演技を終え、ガッツポーズする宮原知子=代表撮影 |
会心の演技を終えた瞬間、欲が湧き上がってきた。宮原は跳び上がらんばかりの勢いで両腕を天に突き上げ「ここまで来たらメダルが欲しい」と願った。恥ずかしげだったこれまでと違う豪快なガッツポーズだった。
合計の自己ベストを約4点伸ばす222・38点。「やれることはやりきった」。充実感が込み上げたが、上位3人が驚異的な演技を見せてメダルには届かなかった。「勝つにはもう一歩足りない」と無念の思いに駆られた。
6分間練習から肩で大きな息を吐き、気合をみなぎらせていた。「スタンドを知子の色に染めてきなさい」と浜田コーチに送り出され、演技を始めると、得点源の2連続3回転ジャンプなどを次々と決めた。
終盤の3回転サルコーは前戦の四大陸選手権や前日の曲をかけた練習で失敗した正念場。軸がぶれかけ「危ない」と思ったが、着氷でしっかり氷をとらえ、成功につなげた。昨季終盤に股関節骨折する以前から悩み続けてきた回転不足はSP、フリー通じて一度もとられなかった。
2014年から全日本選手権を4連覇。女子のエースとして毎試合上位が求められた中で、世界で勝つための対策を進めた。ダンベルを持ってスケーティングを行い、陸上での歩き方もかかとでしっかり踏み込むように矯正した。腹筋は1日1000回。昨年は7センチ、今季も1・5センチ、1年間でジャンプ力が伸びた。
4位は大健闘だが、海外勢に出来栄え点(GOE)や演技点で差をつけられた屈辱が、競争を好まない19歳の心に火を付けた。「4年後ぜひまた戻ってきて、今度こそメダルを取りたい」。初めて本気でメダル獲得を宣言した。 (原田遼)