「ガッツ系」坂本完璧 自己最高SP73.18点

2018年2月21日

女子SP演技を終えガッツポーズする坂本花織=江陵で(共同)

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◆新世代の代表 練習を自信に

 30人による女子ショートプログラム(SP)が行われ、ともに初出場の日本勢は宮原知子(関大)が自己ベストを塗り替える75・94点で4位、17歳の坂本花織(シスメックス)も自己最高の73・18点で5位につけた。

 今季のグランプリ・ファイナルを制した15歳のアリーナ・ザギトワ(OAR)が82・92点の世界歴代最高でトップに立ち、世界選手権2連覇中のエフゲニア・メドベージェワ(OAR)が81・61点で2位。昨季世界選手権2位のケイトリン・オズモンド(カナダ)が78・87点で3位だった。

 上位24人が23日のフリーに進んだ。(共同)

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 五輪のリンクで、やっと笑えた。17歳の坂本は三つのジャンプをすべて成功させて完璧な演技を見せた。重圧におされた12日の団体戦から立て直し、自己ベストを更新する73・18点をマーク。「自分の滑りができたことが一番うれしい」と、両手を顔の上でぐっと握り締めて達成感をかみしめた。

 基礎点が高くなる演技後半で、連続3回転を含むジャンプすべてを立て続けに跳んだ。最初のジャンプで失敗すれば、気持ちを切り替える時間がない。リスクを承知で組んだ構成を生かしきった。

 団体戦フリーの反省を胸に刻んだ。初めてとなる五輪の舞台で脚が震え、冒頭の3回転フリップが回転不足。「最初のミスをしてからちょっとずつ崩れてしまった」と流れに乗り切れず、最下位の5位に終わった。

 団体戦後は練習時間を確保するため、一度帰国した。「気持ちを落ち着かせて最初のジャンプを跳ぶことが大事。1回1回試合だと思って練習した」と集中を研ぎ澄ませ、課題に取り組んできた。

 シニアデビューした今季は昨年11月のスケートアメリカで初めてグランプリシリーズの表彰台に立って以降、12月の全日本選手権2位、1月の四大陸選手権優勝と快進撃。持ち味の跳び幅のあるジャンプと同様に大きな飛躍を遂げてきた。「自分は勢いとかガッツ系とかしかない」。世界の強豪には実績で及ばないが、失うものもない。

 日本での充実した練習から自信を得て、リラックスした表情でSPのリンクに立った。「五輪にいるという魔物には勝てたかな」。2000年代以降、五輪の表彰台を列強と争ってきた日本女子。新世代の代表として、フリーに向けて最高の結果をつかんだ。

  (江陵・原田遼)

中日新聞 東京新聞

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