<新谷志保美EYE>個人力のオランダVSきっちり隊列組む日本

2018年2月20日

 スタート直後のカーブで高木美が止まったように見えた場面。後ろの選手が「待って」と言っていたようだ。VTRを見直すと、佐藤はスタートから2歩目、3歩目あたりが抜けている。離れると隊列が乱れるため、声をかけたのだろうか。

 短距離の1000メートルで銅メダルを取った高木美と、3000メートルが専門の佐藤ではスタートの速さがまるで違う。加えて団体追い抜きでは、両チーム合わせて6人が完全に静止するまで号砲は鳴らさない。スタートまでの間隔は長くなりがち。ミスのないよう合わせる必要がある。

 全体的にはまずまずのタイムで滑り、仕上がりは順調に見える。きっちり隊列を組んで先頭交代を繰り返し最後は最も強い高木美を生かした。予定通りだろう。個の力で戦うオランダとは対照的なレース運びだ。

 金メダルを狙うには戦略も大切だ。準決勝と決勝は一日で行われる。体力を温存するため、菊池をどちらかで起用する選択肢もある。オランダは五輪に的を絞った調整をしており、W杯のように楽には勝てないだろう。 (バンクーバー五輪代表)

中スポ 東京中日スポーツ

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