小平、次は世界新 金は支えられ戦った証し

2018年2月19日

女子500メートルで金メダルを獲得して一夜明け、記者会見する小平奈緒=19日、平昌で(田中久雄撮影)

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 【平昌(ピョンチャン)=本社五輪取材団】平昌五輪は十一日目の十九日、スノーボード女子ビッグエア予選で、藤森由香(アルビレックス新潟、長野県長和町出身)が二位、十六歳の岩渕麗楽(キララクエストク)は三位、鬼塚雅(星野リゾート)が七位となり、それぞれ決勝進出を決めた。

 フリースタイルスキーの女子ハーフパイプ(HP)予選では、ソチ五輪銅メダルの小野塚彩那(石打丸山ク)が五位で決勝進出。鈴木沙織(城北信用金庫)は十四位、渡部由梨恵(白馬ク)は二十二位で予選敗退した。

 フィギュアスケートはアイスダンスのショートダンスに村元哉中、クリス・リード組(木下グループ)が十五位で二十日のフリーダンスに進出した。

 カーリングの女子一次リーグで、LS北見は、ソチ五輪金メダルのカナダと対戦し、3−8で敗れた。

 このほか、ノルディックスキーのジャンプ男子団体が二大会連続の表彰台を目指し、メダルの期待が懸かるスピードスケートの女子団体追い抜きは一回戦に登場する。

◆屈辱のソチから成長 一夜明け会見

 スピードスケート女子500メートルで金、1000メートルで銀の二つのメダルに輝いた小平奈緒(31)=相沢病院=は十九日、記者会見で「夢に描いてきたものを成し遂げ、とてもうれしい」とすがすがしい表情で語った。

 金メダルの授与式は二十日夜のため1000メートルの銀メダルを首にかけた小平は、過去二回の五輪を振り返り「バンクーバーは成長、ソチは屈辱だった。今回はまた成長。ソチは本当に苦しかったが、今回はスケートの楽しさを思い出させてくれた」と穏やかに語った。金メダルへの気持ちは「私が戦ってきた証しでもあり、皆さんに支えられた証し。早く(皆に)見せたい」と話した。

 今後については「まだ所属先と話をしていないが、もうちょっとスケートを滑っていたい」。今シーズン終盤に、好記録が出やすい高地のカルガリーでのレースに出場する意向を示し「500メートルの世界記録を塗り替えたい」と新たな挑戦を明かした。「世界記録は相当難しいと感じているが、気圧などの条件が整えば十分可能かなと考えている」と自信を見せた。

 笑顔の会見だったが、信州大の同級生で五輪直前の一月下旬に長野市内の自宅で亡くなったスピードスケート女子短距離選手の住吉都さん=当時(30)=について聞かれた時は「(レース前に)何度も思い出した」と涙で言葉を詰まらせた。

 住吉さんの関係者から、住吉さんが生前「奈緒が金メダルをとったら私がとったのと同じ」と話してくれていたと聞き、「本人の前で『金メダルをとったよ』と報告したかった」と無念さをにじませた。

 会見前に安倍晋三首相から電話が入って健闘をたたえられ、小平は「皆さんの応援のおかげで実力を発揮できた」と笑顔を見せた。

 (平昌・安福晋一郎)

中日新聞 東京新聞

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