小平がナンバーワン、すべては本人の努力 中高時代に指導の新谷さん

2018年2月19日

女子500メートルで滑走する小平選手=江陵で(潟沼義樹撮影)

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 「彼女がナンバーワンであることは間違いない」。小平奈緒選手(相沢病院)の中学一年生から高校三年生までの六年間を指導した宮田スケートクラブ(宮田村)代表の新谷純夫さん(68)は、教え子が力を出し切る姿を見せてくれることを信じ、大一番を前にこう語った。

 学生時代はラグビーに打ち込み、卒業後は小学校教諭を務めていた新谷さんは、同クラブでは夏場の練習にも力を入れ、ラグビーや陸上のトレーニングを取り入れた指導を実践。中学生になった小平選手はその門をたたき、両親の車で茅野市から片道五十キロ以上の道のりを通い続けた。

 小学生時代から頭角を現した小平選手だが「スケーティングはそれほどうまくなかったけど、脚力と体幹はずばぬけていた」といい、滑り方を覚えれば間違いなく強くなると確信した。

 練習の虫で、研究熱心だった小平選手。「この練習はどんな意味があるのですか」と問い掛けることもあり、説明に納得すると、自分のものにしようと黙々と練習に打ち込んだ。

 気付いたこと、できなかったことをその都度、ノートに書き留め、「世界で戦える人間になりたい」と目を輝かせていたと新谷さんは振り返る。

 小平選手は、得意の500メートルでは昨季から国内外で無敗を誇る。「神がかっている」と評する新谷さんは、ソチ五輪後のオランダ留学を経て進化したフォームを「スタートから、ここしかないという位置に重心を置き、持てる力をしっかりと氷上に伝えている。そのポジションを見つけることができた」とみる。

 「峠を越えて私のもとに通ってきたことも、オランダ留学も、常に自分の可能性を信じて速く滑れる場所を求め続けた。すべては本人の努力のたまもの」。新谷さんはそう言って目を細めた。

 (中沢稔之)

中日新聞 東京新聞

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