【平昌（ピョンチャン）＝原田遼】平昌冬季五輪のフィギュアスケート男子で金メダルに輝いた羽生結弦（ゆづる）選手（２３）＝ＡＮＡ＝が、メダル獲得から一夜明けた１８日、記者会見した。男子６６年ぶりの２連覇を振り返り、「夢がかなったし、やるべきこともやれた。すがすがしい気分」「人生を懸けてスケートをやってきて良かった。もうちょっとだけ人生を懸けたい」と語った。

　昨年１１月に負った右足関節外側靱帯（じんたい）損傷は完治しておらず、「痛み止めを飲まなければジャンプを跳べない状況だ」と明かした。２連覇が懸かる来月の世界選手権（イタリア・ミラノ）の出場は慎重に状態を見極める。

　また、将来の引退後の計画について問われると、「スケートで本気で１位を目指している人を手助けしたい」と指導者への夢を語った。

　一方、銀メダルの宇野昌磨（しょうま）選手（２０）＝トヨタ自動車＝は会見で「五輪２位という実感はないが、結果はうれしい。世界選手権に向けてあしたから練習したい」と話し、初の主要タイトル獲得に向けて気持ちを切り替えた。

　羽生結弦選手の一問一答は次の通り。　（共同）

　−一夜明けて。

　「ソチ五輪の時と違って非常にたくさんの思いを込めて金メダルを取りにいった。思い描いていたメダルをかけていることが本当に幸せ」

　−これほどファンの情熱を受ける人はいない。

　「（６６年前に２連覇した）バットンも連覇に向けて応援してくれた。３連覇に挑むか今は分からないが、このタイトルをうれしく思う」

　−故障離脱中の心境。

　「スケートをやめなきゃいけなかったらどうしようと思っていた。それだけスケートにかけ、いろいろなものを捨てた。本当は嫌われたくないが、しゃべるほど嫌われるし、いろいろなことを書かれる。ただ、僕がつくってきた歴史は何一つ変わらない。誇りを持って今後の人生、金メダリストとして全うしたい」

　−休養する考えは。

　「足首次第。注射が打てない部位で、痛み止めを飲まなければジャンプを跳べない状況だ。治療の期間が欲しい」

　−今後は。

　「スケートをやめる気はまだない。モチベーションは４回転アクセル（４回転半ジャンプ）だけ。アクセルジャンプを得意とし、大好きでいられることに感謝しながら習得を目指したい」

　−引退後のプランは。

　「まだ英語が下手くそだし、もっと勉強しなきゃいけないこともある。世界中を回りながらスケートで本気で１位を目指している人を手助けしたい」