宇野「悔しさまったくない」 授与式後に会見「五輪は試合の一つ」

2018年2月18日

フィギュアスケート男子のメダル授与式で、金メダルを手に笑顔の羽生結弦選手(左)と銀メダルの宇野昌磨選手=17日、平昌で(潟沼義樹撮影)

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 「実感? 分からないですね」。競技が終わって五時間余り。メダル授与式で首に輝く銀メダルをかけられても、宇野選手は。ひょうひょうとしたままだった。

 記者会見でも「皆さんは五輪に特別な思いがあるが、僕にはただ一つの試合です」とさらりと口にし、国内外の報道陣を驚かせた。

 冒頭のジャンプに失敗したが、演技そのものには「悔しさはまったくない」と断言。メダルの色にも「練習してきたことを出せた。うれしい銀メダル」と笑った。

 そんな宇野選手の口調が王者について語る時、少し熱を帯びた。五輪の舞台でも、頂点への道に立ちふさがった三歳上の羽生選手は、十二歳までのノービスクラスのころから知る仲だが、「日本一になることが世界一難しいと考えている。いつまでも追い続けたい」。その背中は五輪の銀メダルよりも遠くにある。

 一方の羽生選手は「日本でうかうかしていられないと思ったのは、宇野選手がいたから」と連覇への力の一つになったことを明かした。

 王者と、その一歩手前まで近づいてきた挑戦者。競い合う二人が今後も世界のフィギュア界をけん引していく。

 (江陵・安福晋一郎)

中日新聞 東京新聞

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