3回転半、空中で軸修正 宇野SP3位104.17点 

2018年2月17日

男子SPで演技する宇野昌磨=田中久雄撮影

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 体が言うことを聞かず、先へ先へ行く。宇野は演技にキレがある一方、「体が動きすぎて、抑えるのに必死だった」とコントロールに苦しんだ。

 「やばい」と思ったのは二つのジャンプをしのいだ後の最終トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)。踏み切り直後に体の軸が大きく傾いた。

 ここぞで生きたのは、幼少期からの猛練習で鍛えた空中感覚。「回りすぎたのか、ジャンプが低すぎたのかわからないけど、何とか着氷できてよかった」と息を吐いた通り、空中で立て直し、力強く右足で立った。今季SPで予定していた構成通りにジャンプをそろえたのは初めて。「なかなかジャンプをまとめられなかった。満足のいく演技が最後にできたのでガッツポーズが出た」と演技後に右手を振り下ろした。

 緊張すると体が動きすぎる。羽生ら強敵がそろい、「今季一番、気持ちが高ぶっていた」と前日から興奮していた。それでも今季は9日の団体戦も含めて8戦に出場。トップ選手とともに実戦を重ね、試合中に制御できるようになった。

 羽生とは7・51点差につけ、金メダルも射程圏内。「僕の精いっぱいは出せた。羽生結弦選手という大きな存在の後ろで頑張りたい」。頂点が見えてきても、無欲を貫く。

 (原田遼)

◆今季一番の高ぶり 一問一答

 3位につけた宇野の一問一答は次の通り。

 −演技後の気持ち。

 「今シーズンはフリーもだが、SPがなかなかまとまっていなかったので、満足いく演技が最後にできガッツポーズが出た。いろんなミスが多かったので完璧な演技とは言い難いが、満足している」

 −試合に臨む気持ち。

 「今シーズンの中では一番高ぶりがあった。何が理由かは分からないが、少し緊張感もあるなという中で、体が動きすぎている、どう対処しようかという気持ちだった」

 −萎縮しなかったか。

 「なかった。(トリプル)アクセル、スケーティングでもつまずいていたが、何とか抑えることができた。平常心で自分のやってきたことを信じるだけと試合に臨んだ」

 −フリーは。

 「4回転を4度跳ぶ予定。4回転の種類が多く必要とされているのは分かるが、僕に一番必要なのはジャンプの質やプログラムの完成度。ショート(プログラム)と同様、満足できる演技がしたい」

 (共同)

中日新聞 東京新聞

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