羽生、ループ勝負 最終調整で成功

2018年2月16日

公式練習でジャンプする羽生結弦=田中久雄撮影

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 【江陵=原田遼】16日、江陵アイスアリーナで男子のショートプログラム(SP)、17日にフリーが行われる。15日はソチ五輪に続く連覇を目指す羽生結弦(ANA)、初出場の宇野昌磨(トヨタ自動車)らが会場の練習リンクなどで最終調整を行った。

 金メダルは羽生、宇野に今季グランプリ・ファイナル優勝のネーサン・チェン(米国)を加えた3人が争う構図。ハビエル・フェルナンデス(スペイン)、金博洋(中国)、パトリック・チャン(カナダ)も表彰台をうかがう。

 状態は尻上がりに良くなっている。右足首のけがから平昌で復活を目指す羽生はこの日、強度を上げ、韓国入り後初めてとなる4回転ループに挑戦。フリーでは世界王者に返り咲いた昨季と同じ3種類の4回転で挑む構成を視野に入れた。

 「順調に計画通りにきている。自分のことに集中し、リラックスしてできている。非常にいいな」と終始笑顔が絶えなかった。

 前日までは練習開始から10分以上は細かいターンを繰り返しながら氷に図形を描く「コンパルソリー」などの基礎練習に費やし、足の動きを確認した。この日はけが前と同様に開始からスピードを上げ、5分すぎからジャンプを開始。トーループ、サルコーに続き、初練習の13日では封印したループの4回転を1発目から成功させた。

 ジャンプが三つのSPではサルコーとトーループの2種類で十分だが、ジャンプが八つに増えるフリーとなると、4回転の種類、本数で宇野やチェンに技術点の差をつけられる。報道陣からの「4回転ループを跳ぶ可能性があるか」という質問に「はい」と回答をひと言にとどめた。

 フリー曲を流した演技では、冒頭の4回転ループが1回転になり、中盤の4回転サルコーも転倒した。単発では決まっても、曲の中で矢継ぎ早に跳ぶと、精度が落ちる。

 体力や試合勘に不安を残したまま迎える本番。「ピークや調整の仕方を考えて臨みたい」とぎりぎりまで状態を見極め、必勝の戦略を選ぶ。 (原田遼)

中日新聞 東京新聞

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