高木美帆、納得の「銅」 磨いた一本足走法「自分のできることは出せた」

2018年2月15日

女子1000メートルのゴール後、目を閉じる高木美帆=江陵で(共同)

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 女子1000メートルで高木美帆(23)=日体大助手=が銅メダルを獲得した。高木は1500メートルの銀と合わせ今大会2個目で、冬季五輪の1大会で複数のメダルを獲得した、日本女子初めての選手となった。日本の今大会のメダル数は7となった。郷亜里砂(30)=イヨテツク=は13位。ヨリン・テルモルス(オランダ)が五輪記録で優勝した。

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 フィニッシュラインを越えてタイム掲示板を見た瞬間、頭を抱えて天を仰いだ。高木美のタイムは1分13秒98。低地の自己ベストではあったが、その時点でテルモルス(オランダ)に次ぐ2位。最終的に、1500メートルの銀メダルに次ぐ銅を獲得したとはいえ、真っ先に訪れた感情は悔しさだった。

 「自分が出し切ったと思って、これで1番に届かないんだって」。積極的に攻めた。200メートルは17秒67。「なかなか18秒は切れない。2周目は速くなかったけど、へたったわけじゃない。1500メートル以上にすがすがしいというか、自分のできることは出せた」。レース後は納得していた。

 8年かけて“一本足走法”を磨いてきた。中学生で出場したバンクーバー五輪1000メートルは35位。直後に入学した帯広南商で取り組んだのが着氷時が2本ではなく1本になる一本足走法だ。当時は世界でも男子のトップ選手しか取り入れていなかった走法で、よりスピードが乗る一方、強い体幹がなければバランスを崩す。当時全日本ジュニアの監督だった白幡圭史・現全日本コーチと同校の東出俊一監督と本人の3人で相談して決めた。

 「ジャンプするように滑るから難しい。やってみるかと言ったら『やります』と。当時で5割の完成度だった」と白幡コーチ。世界で勝つための走法は、オランダ出身のヨハン・デビットが率いるナショナルチームに入ったことで磨かれた。より進化して五輪の大舞台に帰っていた。

 「表彰台に立つときは小平さんと隣に並びたかった」。1000メートルで勝ちたくて追いかけていた小平にも敗れた高木美の次なる舞台は、エースとして期待される団体追い抜き。オランダが強敵だが、今度こそ金メダルを獲得したい。 (兼田康次)

 ▼高木美帆(たかぎ・みほ) 1994(平成6)年5月22日生まれ、北海道幕別町出身の23歳。164センチ、58キロ。帯広南商高、日体大出。日体大助手。北海道・札内中3年で2010年バンクーバー五輪出場。今大会は3000メートルで5位となり、1500メートルで銀メダルを獲得。1500メートル、3000メートルの日本記録を持つ。1500メートルを中心にW杯個人種目で通算7勝。姉の菜那も日本代表で、ともに団体追い抜きの主力。

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