小平・高木美、日本女子初のW表彰台 「もう一段高ければ」
2018年2月15日
女子1000メートルで銀メダルに輝き、日の丸を掲げリンクを一周する小平奈緒(後方)と銅メダルの高木美帆=江陵で(共同) |
【平昌(ピョンチャン)=本社五輪取材団】平昌冬季五輪は第6日の14日、スピードスケート女子1000メートルで世界記録保持者の小平奈緒(相沢病院)が銀メダル、高木美帆(日体大助手)が銅メダルに輝いた。高木は1500メートルの銀に続き、日本女子で初めて冬季五輪の同一大会で複数メダルを獲得した。また個人種目で日本女子が同時に表彰台に立つのは夏冬を通じて史上初。
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思い描いていた景色とは少し違った。「もう一段高い所で2人で並べたら最高だった」と銀メダルだった短距離のエース小平奈緒。銅メダルの中長距離のエース高木美帆も優勝者を挟んだ表彰台に「隣で並びあいたかった」と悔しさをにじませた。
今季のワールドカップ(W杯)では3度、小平、高木の順で1位、2位を獲得。日本が誇る両雄が世界を引っ張ってきた。「日本人で一緒に表彰台に立てるのは気持ちいい」という小平に対し、高木は「悔しい」「完敗」と対抗心をむきだしにしてきた。
スケートが盛んな北海道出身の高木はいわばエリート。小学生から天才少女と呼ばれ、中学3年でバンクーバー五輪に出場した。現在は日本のトップ選手が年間を通じて合同練習をするナショナルチーム(NT)に所属する。
小平は「高木選手は才能があって、早くから日本のトップにいた。わたしは選んでいる道も特殊で、スローな競技人生」と自己分析する。
長野五輪金メダルの清水宏保を指導した信州大の結城匡啓(まさひろ)コーチに学ぶため、一般受験。卒業後もNTに参加せず、母校の練習に加わりながら結城コーチの指導を受ける。
小平は500メートル、高木は団体追い抜きという、それぞれ金メダル大本命のレースを控える。理論派と天才。2人は表彰台でたたえ合うのが恒例。でも今回は小平から「次は違うステージで、金メダル取れるように頑張ろう」と約束を交わした。
(江陵(カンヌン)・原田遼)