長野・茅野で小平選手1500のPV 「いける」1000・500期待

2018年2月14日

バルーンをたたいて応援する来場者たち=茅野市役所で

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 スピードスケート女子の小平奈緒選手(相沢病院)が平昌(ピョンチャン)五輪初戦となる1500メートルに臨んだ十二日夜、地元の茅野市内では、市役所など三カ所でパブリックビューイング(PV)が開かれた。結果は六位だったが、声援を送った市民らは、世界記録を持つ1000メートル、昨季から無敗の500メートルに向け、弾みがついたと期待を膨らませた。

 市役所でのPVには、柳平千代一市長や市スケート協会関係者、市民ら約百四十人が集まった。競技開始前には、木遣(きや)り唄に合わせ、御柱祭でおなじみの金色のおんべを振って活躍を祈願した。スタート直前からスティックバルーンをたたき「奈緒」コールで応援。レースを食い入るように見つめ、力強い滑りでゴールを駆け抜けると「奈緒ちゃんすごい」「いけるね」と歓声を上げた。

 柳平市長は「1000メートル、500メートルに向けて実のあるレースができたんじゃないか」。市スケート協会の池上泰司副会長(66)も「本職の短距離じゃないからあのくらいで十分。いけるという感覚をつかんだと思うので次に期待したい」と話した。

 小平選手の実家にほど近い南大塩公民館でのPVにも、地元住民百四十人が詰め掛けた。入賞確定のアナウンスが流れると、バルーンをたたいて健闘をたたえた。

 小平選手の実家の近所に住む宮下修平さん(69)は「本人も次のレースの弾みになればと思っていたはずなので六位は上出来。得意にしている500メートルの金メダルは間違いない」と太鼓判を押した。

 (中沢稔之、服部桃)

◆「顔つき良い」父も納得

小平選手の滑りを見つめる父の安彦さん=茅野市の南大塩公民館で

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 南大塩公民館でのPVには、小平選手の父安彦さん(62)も駆け付けた。地元住民の声援が飛び交う中、両手をぎゅっと握ったまま、じっと初戦を見届けた。「今の彼女のベスト。顔つきも良く、一生懸命さが出ていた」と納得の表情を浮かべた。

 両親は長野市のエムウエーブで行われる大会は必ず観戦。安彦さんは毎回、リンクサイドの同じ場所で次のレースの参考になればとビデオを撮り続けてきた。観客席には「翔(と)べ!奈緒」の横断幕。小平選手が大学二年生で初めてワールドカップに出場した時に関係者から贈られた言葉だ。

 「これから先、たくさんの試練が待ち構えているだろうが、スピード感をもって飛び越えていけという意味」と受け止めた安彦さんは、五輪前から「選手団の主将でメダルを狙える位置にもいるが、この試練をどう飛び越えていくか。その姿勢を見てみたい」と話していた。

 親族は、金メダルの期待がかかる十四日の1000メートルと十八日の500メートルのレースを現地で見守る。「結果よりも内容を重視している」と安彦さん。たくましく成長した娘の姿を、しっかりと目に焼き付けるつもりだ。

 (中沢稔之)

中日新聞 東京新聞

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