18歳吉永、攻め恐れず 男子1000準々決勝に進出

2018年2月14日

男子1000メートル予選 コーナーで競り合う予選を通過した吉永一貴(中)=田中久雄撮影

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 完全アウェーの舞台でも18歳の肝は据わっていた。2着までが準々決勝に進出できる男子1000メートル予選。吉永は10日の1500メートル金メダルの林孝峻(韓国)につばぜり合いを仕掛け、先着を許したものの、2位で準々決勝進出を果たした。

 序盤は3番手。中盤のカーブで2番手にいた林が先頭のカナダ選手を外から抜いたすきに、吉永も内側から2番手に躍り出た。そのまま直線で加速し、林の内側も強襲。「抜いてスピードを出せば、逃げ切れる」と先頭に立った。

 地元のスタンドから悲鳴。だが、わずか半周で大歓声に変えられた。抜いた際に高速でカーブに入ったため、出口で外にふくらみ、内側から抜き返された。

 カナダ選手は抜けても、最強国は甘くない。「あそこでインを締めなければ。この先もっと厳しくなる」と次戦までに修正を迫られた。

 小学2年で競技を始めてから韓国は常に世界のトップに君臨していた。16歳で全日本王者になったが、国際大会では韓国勢に置いていかれ、屈辱を味わってきた。

 いつしか思い描いた雪辱の舞台。2年前の秋、平昌五輪の話題に触れると、「僕の小さな野望だけど、地元で全力を出してくる韓国に勝ちたい」とつぶやいた。力の差は百も承知だが、決勝で本気の勝負をするまで、負けるわけにはいかない。

 (江陵・原田遼)

中日新聞 東京新聞

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