小田、笑顔なき5位 挑んだメダル「あと少し」

2018年2月14日

男子1500メートル滑走する小田卓朗(左)=共同

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 男子1500メートルが行われ、小田卓朗(開発計画研究所)は1分45秒44で5位に入った。この種目で日本勢が入賞するのは5大会ぶりで、過去最高順位に並んだ。ウイリアムソン師円(日本電産サンキョー)は1分46秒21で10位、中村奨太(ロジネットジャパン)は1分47秒38の24位だった。

 キエルド・ナウシュが1分44秒01で優勝し、パトリック・ルスト(ともにオランダ)が1分44秒86で2位。金敏錫(韓国)が3位だった。 (共同)

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 男子1500メートルで日本の選手が入賞するのは1998年長野大会以来。5位と大健闘した小田だが、笑顔はなかった。本気でメダルに挑み、3位とは0秒51差。涙をこらえ「あと少しでした」と声を震わせた。

 同走は金メダルに輝いたナウシュ。最高の相手に「こんなチャンスは何度とない」と燃え、必死で食らいついた。しかし、どんどん背中が離れていく。圧倒的な差を突きつけられ「ここまで遠いのか」と肩を落とした。

 山形中央高3年でW杯代表に入り、注目された。身体能力が高く、体力測定の数値は日本代表でも抜群。高校時代、バンクーバー五輪代表で現在は競輪選手の小原唯志に自転車練習で先行し、周囲を驚かせたこともある。「ものが違う」と語る関係者は多い。

 ただ優しい性格で欲がなく、山形中央高の椿央(つばき・ひろし)監督は「本当に勝負できるのか」と心配していた。大学に進学後は不安が的中し、伸び悩んだ。しかしナショナルチームに入って才能が磨かれ、今季は1500メートルと1000メートルで日本記録を更新した。

 25歳にして初めて立った五輪のリンクで、競技者としての欲や本能をむき出しにした。「この悔しさを全部まとめて1000メートルにぶつける」。普段は物静かで、ぼそぼそと話す男がきっぱりと言った。(共同)

 <1>キエルド・ナウシュ(オランダ)1分44秒01<2>ルスト(オランダ)1分44秒86<3>金敏錫(韓国)1分44秒93<4>シロフス(ラトビア)1分45秒25<5>小田卓朗(開発計画研究所)1分45秒44<6>スウィングス(ベルギー)1分45秒49<7>ヘンリクセン(ノルウェー)1分45秒64<8>マンティア(米国)1分45秒86<10>ウイリアムソン師円(日本電産サンキョー)1分46秒21<24>中村奨太(ロジネットジャパン)1分47秒38

中日新聞 東京新聞

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