羽生、公式練習で正確な着氷 金メダルへ「作戦大事」

2018年2月14日

公式練習で調整する羽生結弦=13日、江陵(共同)

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 ソチ五輪男子金メダリストの羽生結弦(ANA)が13日、試合会場となる江陵アイスアリーナで練習し、昨年11月の右足負傷後、公の場で初めて4回転ジャンプを披露した。トーループとサルコーの2種類で、いずれも跳んだ本数は少ないながらも正確な着氷を連発。男子では66年ぶりとなる2連覇に向け、最終段階に入った。男子ショートプログラム(SP)は16日に行われる。

 万全とはいかないが、金メダルへの最低限のレベルまで戻してきた。世界王者、羽生が40分間の練習で平昌の演技構成をのぞかせた。

 フリー曲「SEIMEI」をかけた演技ではサルコーとトーループの2種類の4回転ジャンプを跳んだ。昨季から跳ぶループと、今季から構成に入れ始め、右足関節外側靱帯(じんたい)損傷のきっかけとなったルッツの4回転は封印。4回転の総数も今季当初の5本から3本に減っていた。

 「本当に作戦が大事になる。自分の中ではクリーンに滑れば勝てる自信がある」。各国150人の報道陣が集まった会見で羽生は豪語した。

 羽生のジャンプは予備動作が少なく、跳び幅も大きいため、成功すれば、各ジャンプのGOE(出来栄え点)で1〜3点の加点を引き出せる。2015年グランプリ・ファイナルではこの日と同じ2種類の4回転で臨み、合計の世界歴代最高330・43点をたたき出した。

 すべてのジャンプをそろえることが前提だが、当時の構成でも、自身より多くの種類の4回転を取り入れるネーサン・チェン(米国)や宇野昌磨(トヨタ自動車)に総合力で勝つことも十分可能だ。

 課題は本人も「不安だった」と語る体力面。昨年11月の負傷後、約2カ月氷上を離れた。負担の少ない陸上での練習で体力低下を抑えてきたが、「回転の感覚や、氷の感触は陸上とは違う」と懸念材料だった。

 それでも先月上旬に氷上練習を始めたことを考えれば、見通しは明るい。「滑って1カ月でここにいる。五輪に出られるって思えるくらいの練習ができているので問題はない」と強調。連覇への自信に揺るぎはない。(江陵・原田遼)

中日新聞 東京新聞

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