市邨高の仲間が応援歌 ショートトラック・吉永選手

2018年2月13日

吉永一貴選手の五輪応援歌を歌う名経大市邨高の軽音楽部員ら=名古屋市千種区で

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ショートトラック男子1500メートル予選を終え引き揚げる吉永一貴選手=10日、江陵で(田中久雄撮影)

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 【江陵(カンヌン)=安福晋一郎】十三日夜、平昌五輪のショートトラック男子1000メートルに出場する吉永一貴選手=愛知県尾張旭市出身=は、自身が通う名経大市邨(いちむら)高校(名古屋市千種区)の軽音楽部がつくった五輪応援歌が元気の源だ。

 ♪あの日誓った夢の欠片(かけら)、叶(かな)うと信じて走りつづけた

 アップテンポのリズムに乗って明るい声がはじける。軽音楽部員や友達らが歌う様子を撮影した動画。十日の1500メートルでは予選で失格となり肩を落とした吉永選手だが、動画の話になると「ほっとした。久しぶりに友達の顔が見られた」と笑顔が戻った。五輪会場に入ってからも食事のときなどにパソコンで動画を再生しているという。

 吉永選手は、練習のため登校できる日が少ない。昨春からは武者修行でショートトラック強豪国の韓国に渡り、さらに同級生たちとすごす時間が減った。

 そんな中での友人や後輩からの贈り物。曲名は「ゴール(ゴールド)を目指して」。一、二年の軽音楽部員十三人が、約二カ月かけて作詞作曲した。「五輪に出る先輩を勇気づけられないかと思って」と部長の鈴木遙さん(二年)。冒頭のさびの部分を生み出すのに一カ月以上かけた。

 ♪一つの光が今となっては、何億の光となって背中を押すよ

 この部分を考えた安江結子さん(一年)は「私たちはもちろん、日本中の人が応援している。一人じゃないと思ってほしい」と歌詞に込めた思いを語る。

 曲が完成したのは昨年十二月、校内での壮行会の前日だった。壮行会で披露すると、吉永選手はじっと聞き入り、「大好きな曲調。苦しいときに支えてくれる友達を思い出せる」と喜んだ。

 地元韓国勢が強い種目。高校生ながら、日本のエースに成長した吉永選手が割って入れるかに期待がかかる。仲間や後輩の励ましが海を越えて響く。

 ♪走れ、走れ、走れ、最後の一瞬まで−。

中日新聞 東京新聞

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