日本勢総崩れ 坂本「個人戦では締め直す」

2018年2月13日

団体女子フリーの演技を終え、日本チームのブースに頭を下げる坂本花織=江陵で(田中久雄撮影)

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 団体の上位5チームによるフリーが江陵アイスアリーナで行われ、女子で坂本花織(17)=シスメックス、男子で田中刑事(23)=倉敷芸術科学大大学院、アイスダンスで村元哉中(かな、24)、クリス・リード(28)組=木下グループ=がいずれも5位となり、日本は順位点の合計50点で2大会連続の5位だった。カナダが73点で初の金メダル、OAR(ロシアからの五輪選手)が66点で銀メダル。米国が62点で銅メダル。イタリアが4位。坂本は冒頭の3回転フリップで回転不足を取られて131・91点だった。

 演技を終えた瞬間、両手で顔を覆うとチーム席に向かってペコリと頭を下げた。「足を引っ張って申し訳ありません」と坂本。17歳でつかんだ夢舞台の第一幕は、自己ベストの142・87点に届かない131・91点。順位は5人中5位。この結果をもって日本のメダル獲得の可能性が消えた。ただ、個人戦に向けては大きな収穫だ。

 「脚が震えていた。4分間、ずっと緊張。いつも通りの試合を、と思ったけど、どのジャンプも自分のジャンプじゃなかったから悔しい。伸び伸び滑ろうと思ったけど、最初のジャンプでミスをして焦ってしまった」

 いきなり歯車が狂ったことでシーズン中盤からの勢いが消えた。冒頭のフリップ、トーループの連続3回転ジャンプはフリップの着氷が乱れて単発に。「どこでリカバリーしようと考えて、思い切っていけなかった」。ただ、その後は崩れなかった。次の3回転フリップに3回転トーループを付けると、最後のダブルアクセルも3連続ジャンプに。「練習ならこけているジャンプも意地で耐えました」。勢いはなかったかもしれないが、冷静にすべての要素を組み込んだ。

 初の夢舞台に「あまり五輪と感じなかった」と言う。ただ、調整は難しかったようだ。日本選手団の本隊と同じ4日に韓国入りしたことで、心も体も間延びした。「いつもなら現地入りして3日後に試合だけど、まだ試合じゃないと思って。余裕を持ってしまった」と坂本。10日までの2日間、ソウルのリンクを借りての直前合宿で、何とか復調していた。

 「団体戦でこういう経験をしたので、個人戦ではもう一回、締め直して、全日本(選手権)や四大陸(選手権)のような演技をしたい。がっつり頑張ります」。13日以降に日本に戻って再調整する高校2年生。間違いなく個人戦への予行演習にはなったはずだ。 (兼田康次)

中スポ 東京中日スポーツ

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