羽生参上!「金」連覇を宣言 「どの選手より一番勝ちたい」

2018年2月12日

地元警察に囲まれながら韓国入りした羽生結弦(中央)=仁川国際空港で(高部洋祐撮影)

写真

 平昌五輪が右足首故障からの復帰戦となるフィギュアスケート男子の羽生結弦(23)=ANA=が11日、韓国の仁川国際空港に到着した。男子では66年ぶりとなる五輪連覇に向け、16日にショートプログラム(SP)を迎える日本のエースは「試合の場に来られたことをうれしく思う。やはり2連覇したい」と意気込んだ。

 前回五輪王者は、予定時間よりも37分遅れの15時57分に、エアカナダ61便に乗って韓国に降り立った。サングラスをした屈強な空港警察官に守られ、リラックスした表情を見せながら、羽生はしっかりした足取りで報道陣の前に姿を見せた。

 2017年11月の右足首靱帯(じんたい)損傷の大けがから、本格的な練習を再開していたことがわかったのが、1月第2週。それからまだ1カ月もたっていない。体調がどこまで回復したのか、羽生は明言をしなかった。だが、状態がまだ完璧に仕上がってはいないことは、公の場での約3カ月ぶりの肉声でわかった。

 「まだ滑っていないので分からない。ただ、どの選手よりも一番勝ちたいという気持ちが強くあるし、どの選手よりもピークまで持って行ける伸びしろがたくさんあると思っている。頂点というものを追いながら(これから)頑張っていきたい」

 大けがに見舞われたのが昨年の11月9日。3連覇が懸かっていたNHK杯の開幕前日の公式練習で、4回転ルッツを跳んだ際の着氷に失敗して右足首を負傷。「右足関節外側靱帯損傷」と診断されて欠場を余儀なくされた。

 当初は全治4〜5週間と見込まれたが、その後靱帯損傷に加え、骨にまで炎症が広がっていたことが判明して全治が6週間以上に伸び、練習を再開するまでに2カ月近くを要したほどだ。出場を予定していた12月の全日本選手権も欠場するしかなかった。大けがからの復帰戦が五輪連覇を狙う平昌となる。報道陣にその思いを聞かれ「もちろん、そういう気持ちは少なからずある。自分にウソをつかないのであれば、やはり2連覇したいと思っている」と連覇への強い気持ちを語った。

 2連覇を信じてリハビリをこなした。それでもここまでの道のりは、決して平たんではなかった。「出られない試合もたくさんあり、もどかしい気持ちだった。リハビリなど、できることを必死にやってきた。こうやって試合の場に来られたことがうれしい」と話した。

 そして囲み取材の最後には、いつものあいさつ。「よろしくお願いします。ありがとうございました」。笑顔で深々とおじぎして空港を離れた。その表情に曇りはなかった。 (辛仁夏)

◆カギ握る4回転 構成はこれから

 男子シングルは何種類かの4回転を何本跳ぶかが勝負になる。4種類目となる4回転ルッツで大けがを負った羽生は、ルッツをはずす方向という。昨年10月のロシア杯以来ぶっつけ本番で迎える16日のSPと17日のフリーで、どの4回転をどれだけ跳ぶかも注目だ。

 「現地で調整してそれから決めようと思っている。選択肢はたくさんあると思うし、周りの状況とかもいろいろ考えながらみなければいけないので、しっかりと作戦を立てながらやっていきたい」と羽生は言った。

中スポ 東京中日スポーツ

※ご利用のブラウザのバージョンが古い場合、ページ等が正常に表示されない場合がございます。

Search | 検索