宮原、団体女子SPで4位 回転不足の改善実らず
2018年2月12日
団体女子SPで演技する宮原知子(田中久雄撮影) |
10チームによる団体は3種目が江陵アイスアリーナで行われ、上位5チームが進出したフリーのペアで日本は須崎海羽(みう、18)、木原龍一(25)組(木下グループ)が5位にとどまり、12日の男女、アイスダンスのフリー3種目を残して順位点の合計32点で5位となった。カナダが首位、OARが2位、米国が3位、イタリアが4位。日本は女子ショートプログラム(SP)で宮原知子(19)=関大=が4位、アイスダンスのショートダンスで村元哉中(かな、24)、クリス・リード(28)組(木下グループ)が5位。フリーを迎えるまでの男女とペアのSP、SDの4種目合計で4位に入った。女子SPでOARのエフゲニア・メドベージェワが自身の持つ世界歴代最高を更新する81・06点で1位となった。
◆冒頭連続ジャンプが
夢舞台でも同じ宿題を突きつけられた。両手を広げて喜びを表現していた宮原の表情が、得点が表示されるや、一瞬で曇った。自己ベストの74・64点にはほど遠い68・95点。またしても、あのジャッジが下されていた。
ベストは尽くした。浜田美栄コーチとおでこをつける演技前の儀式。五輪会場の壁はショートトラック仕様でクッションが厚く、お互いに背伸びをすると「届いた。よし。自分のできることをやってきて」と送り出された。その言葉通り、見た目にはパーフェクト。だが、冒頭のルッツ、トーループの3回転連続ジャンプは2つとも回転不足の判定。本来の基礎点は10・30点ながら出来栄え点なども引かれてわずか6・00点。ライバルに引き離された原因だった。
◆復帰シーズンの課題
「トーループは自分でも大丈夫という感覚で降りていたんですが。点数を見たときはジャンプ全部(回転不足を)取られたのかなと思った」
約1年前の左股関節疲労骨折からの復帰シーズンにあって、常に悩まされているのが回転不足だ。復帰初戦のNHK杯から回転不足の判定はこれで6試合中5試合目。1月から着氷の方法をエッジの先端ではなく全体で降りるようにしているが、五輪の団体戦でも改善できていなかった。
◆ループのいいときを
「点数は悔しいけど、スタートとしてはまずまず。思ったより楽しく滑れた。ジャンプは修正したい。ルッツがよければトーループもいい。いいときの感覚を忘れないでやることが大事」
『タイニークイーン』。これは今回のメディア用サイトに紹介された海外メディアがつけたニックネームだ。「そう言われたことはないですけどね。でも、それにふさわしい演技がしたい」。メダルの期待がかかる女子SPは21日。今後は日本で再調整する『小さな女王』は宿題をやり遂げて大舞台に帰ってくる。
(兼田康次)