宮原に意外な減点 「回転不足」で得点伸びず 団体5位で最終日へ

2018年2月12日

団体女子SPで演技する宮原知子=写真は田中久雄撮影

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 10チームによる団体は3種目が行われ、上位5チームが進出したフリーのペアで日本は須崎海羽、木原龍一組(木下グループ)が97・67点の5位にとどまり、12日の男女、アイスダンスのフリー3種目を残して順位点の合計32点で5位となった。カナダが45点で首位、OARが39点で2位、米国が36点で3位、イタリアが35点で4位。

 日本は女子ショートプログラム(SP)で宮原知子(関大)が68・95点の4位、アイスダンスのショートダンス(SD)で村元哉中、クリス・リード組(木下グループ)が62・15点の5位。フリーを迎えるまでの男女とペアのSP、SDの4種目合計で4位に入った。

 女子SPはOARで世界選手権2連覇のエフゲニア・メドベージェワが自身の持つ世界歴代最高を更新する81・06点で1位となった。 (共同)

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 手応えはあった。演技を終えた宮原は「大きなミスなく、気持ち良く滑れた」とリンクサイドの日本チームに向けて両腕を掲げた。だが、得点表示を見て、あぜんとする。「全部のジャンプで回転不足を取られたのか」。自己ベストを約6点下回る68・95点。頭が混乱し、口を開けて数字を見つめるしかなかった。

 実際に減点となったのは、冒頭に跳んだルッツ−トーループの2連続3回転ジャンプだけ。ただ、ルッツとトーループの両方が回転不足となり、10・30点を見込んだ基礎点で7・20点しか得られなかった。

 2連続ジャンプは今季の鬼門だった。股関節の骨折から11カ月ぶりに復帰した昨年11月以降、五輪までの5戦のうち4度のSPで回転不足や着氷の乱れがあった。最初のルッツの着氷でスピードが落ちてしまい、次のジャンプへの踏み切りが弱まっていた。

 かつては正確無比に跳んでいたジャンプ。「もう痛みはない」と体に問題はないが、微妙な感覚を取り戻せていない。この日も「回転は大丈夫だった」と感じただけに、ショックは大きかった。21日からの個人戦における審判の心証にも影響を及ぼしかねず、不安を増幅させた。

 それでも全日本選手権4連覇中のエースは「演技自体は良かった」と前を向く。これまでは大舞台で縮こまってしまうことも多かったが、「落ち着いてできた」と個人戦への収穫もあった。

 今後は国内に戻って再調整する。「個人戦はまた雰囲気が変わるかもしれないが、いい経験ができた」。課題を修正し、次回は最後まで笑顔を見せ続ける。 (江陵・原田遼)

中日新聞 東京新聞

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