昌磨、「金」ロード 4年前の羽生の軌跡再現だ!

2018年2月9日

本番に向け調整する宇野昌磨=江陵で(高部洋祐撮影)

写真

 平昌冬季五輪は9日、午後8時(日本時間同)から始まる開会式で開幕する。フィギュアスケートの団体戦は開会式に先駆けて同日、10チームによる男子ショートプログラム(SP)とペアSPが行われる。8日は出場選手が発表され、日本の男子SPは昨季世界選手権銀メダリストの宇野昌磨(20)=トヨタ自動車、中京大=が出場。ライバルのネーサン・チェン(18)=米国=らをしのいで、団体戦のメダル、そして個人戦の金メダルへつなげたい。 

 チームジャパンにも自分にも勢いがつく演技ができれば、「あの人」と同じ道を歩んでいける。団体戦の男子SPを任されるのは、いまや日本のエース格に成長した20歳だ。団体戦の出場選手が発表された直後、宇野は「頑張ります」と気持ちを新たにした。

 10チームが出場する団体戦は男子、女子、ペア、アイスダンスの4種目の合計ポイントで争われ、SP(アイスダンスはショートダンス=SD)での上位5チームが次のフリーに進める。カップル競技が弱い日本はメダル候補でもある一方で、得点源の男子や女子が不振なら“予選落ち”もある。だから、団体戦における男子SPは日本のエースが投入される開幕戦となる。

 「まずフリーに進むことが大前提で、大きな目標。それを考えたのと本人の希望、コンディションを考えて選びました。いいパフォーマンスでバトンをつないでほしい」と、監督を務める小林芳子・日本連盟フィギュア強化部長。日本のエースは羽生結弦(ANA)だが、「羽生選手は随時、様子を聞きながら(選ばなかった)」と説明。現時点での最高のカードが宇野だったというわけだ。

 サブリンクで行われた前日練習は圧巻だった。SP曲ビバルディの四季「冬」をかけた練習では、冒頭の4回転フリップこそバランスを崩したが、続く4回転、3回転トーループ連続ジャンプ、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は成功。それ以外の4回転ジャンプはほぼパーフェクトで、前日「調子はすごくいい」と話していた通りの好調ぶりを見せつけた。

 4年前のソチ五輪、初めて採用された団体戦の男子SPに出場したのは当時19歳だった羽生だった。元世界王者のプルシェンコ(ロシア)やチャン(カナダ)を押しのけて首位スタートを決めると、個人戦で金メダルを獲得。今回の男子SP、最大のライバルは個人戦の金メダル候補でもあるチェン(米国)か。銀メダルだったGPファイナル(昨年12月、名古屋)で逆転Vを許した18歳を倒せば、憧れの人と同じ道が待っている。

 「すみません。帰ります。お疲れさまです」。この日の宇野は言葉少なかったが、表情は明るかった。五輪という初の夢舞台、何としても勢いをつける。 (兼田康次)

中スポ 東京中日スポーツ

※ご利用のブラウザのバージョンが古い場合、ページ等が正常に表示されない場合がございます。

Search | 検索