本番へ人工光で目覚め 午前中の競技開始で調整に工夫

2018年2月8日

 メダルが期待される日本は、9日の競技開始に合わせ、調整に工夫を凝らしている。日本スケート連盟が主体となり、早起きや映像分析の装置を導入。選手にも好評を得ている。

 今回、国際大会では異例の午前10時台から午後2時台の間に競技が行われる。各選手、40分程度与えられる当日練習は、午前6時台から順次開始。人間は日光に応じてホルモンが分泌され、体内活動が調整されており、早朝の練習は体に負担がかかる。

 日本連盟は今回、各選手に専用の照射器を配布。設定時刻に合わせ、太陽と同じ強さの人工光が少しずつ部屋を明るくし、自然に体が目覚めるとされる。

 6日に初めて使用した女子の坂本花織は午前5時半に機器をセット。「最初はまぶしくて目が開けられなかったが、体は早く動いた感じ。いつもしてしまう二度寝もなかった」と効果を実感した。

 日本連盟は練習中にも独自に新機器を導入。スタンドに設置されたビデオカメラと、リンクサイドのタブレット端末を無線でつなぎ、選手が映像をその場で確認できる。男子の宇野昌磨は6日の初練習で樋口美穂子コーチと端末を見ながら自身のジャンプをチェック。「自分のイメージとどこが違うのかを見ていた」と修正の参考にした。

 日本はリンクの数など環境面で北米やロシアに劣り、選手の育成・強化の泣きどころとなってきた。小林芳子日本代表監督は「リンクはわれわれの力だけでは増やせない。代わりに知恵をしぼって戦う」と強調。連盟が平昌に向けて練り上げた対策で勝負を懸ける。 (原田遼)

中日新聞 東京新聞

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