宇野に「金」サポート 新映像システム、食事に起床環境 

2018年2月8日

韓国入り後初めてとなる練習で、試合が行われるリンクで調整する宇野昌磨(田中久雄撮影)

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 フィギュアスケート男子で世界選手権銀メダリストの宇野昌磨(20)=トヨタ自動車、中京大=が7日、会場の江陵アイスアリーナで初練習した。3種類の4回転ジャンプをすべてこなすなど、好調ぶりを披露すると、日本スケート連盟は強力なサポート体制でメダル奪取をアシストしていくことも判明。同アリーナでは女子の坂本花織(17)=シスメックス=も練習をした。全日本選手権4連覇の宮原知子(19)=関大=は仁川国際空港に到着すると、約2時間半の移動後に練習リンクで汗を流した。

 初体験の五輪は最大の力を発揮できる舞台でもあった。本番リンクでの初練習を終えた宇野は「(調子は)すごいよかった。調子がいいときは落ちていくけど、落ちていくのを拒否せず受け入れて、調子が上がるようにしたい」。こんな冷静な20歳に万全のサポート体制が用意されていた。

 「今回の平昌五輪に向けて、さまざまな取り組みをしています。新たな映像システムや食事、起床環境などです」

 こう説明したのは日本スケート連盟の竹内洋輔フィギュア強化副部長だ。ショートプログラム(SP)とフリーで使用するフリップ、ループ、トーループの3種類の4回転ジャンプをすべて成功させた宇野は、直後にリンクサイドのコーチと手元のタブレット端末でチェック。これは今大会から本格的に導入された即時フィードバックシステムで、練習中のみジャッジカメラと同じ場所にカメラを設置。スタッフが撮影したものを数秒後にチェックしていた。

 「イメージしたジャンプと、こう違うんだと確認できる」と宇野。それだけじゃない。競技が午前から始まる今大会は早朝の起床が必要とされるが、同連盟では寝室にタイマーで太陽光と同じ光を発するライトを設置。ホルモンのレベルを上げるのが目的で希望者に提供しているという。さらに選手村近くで食事を提供する味の素と協力したデリバリーも開始。これらはフィギュア全選手にサポートしているが、いずれも宇野にとっては大事な要素。心強い環境で挑めるというわけだ。

 「五輪マークが全然見えなくて…。まだ五輪という実感がないです」という宇野は9日の団体戦SPの出場が濃厚。「今回は思い切りやって、少しでも貢献できるように頑張りたい。その経験を個人戦につなげたい」。銅メダルを獲得した昨年2月の四大陸選手権で自身初のSP100点台、自身初の4回転ループを成功させた好相性のリンクで日本を盛り上げる。(兼田康次)

中スポ 東京中日スポーツ

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