羽生、個人連覇へ体力温存 団体戦回避で試合勘不足の懸念も

2018年2月4日

羽生結弦

写真

 【江陵(韓国)=原田遼】平昌冬季五輪で、9〜12日の団体戦に出場する日本代表の男子の陣容が関係者への取材で分かり、右足首のけがを抱えるエースの羽生結弦(ANA)は外れた。ショートプログラム(SP)は宇野昌磨(トヨタ自動車)、フリーは田中刑事(倉敷芸術科学大大学院)で臨む。

 羽生は昨年11月上旬の練習中に右足関節外側靱帯(じんたい)を損傷。カナダ・トロントでリハビリを続けているが、回復が長引いており、2014年ソチ五輪に続く2連覇に向けて、16〜17日の個人種目・男子を優先したとみられる。日本スケート連盟は女子、ペア、アイスダンスも含め、「団体戦の出場選手は8日に発表する」としている。

 ◇ 

 団体戦メンバーから外れた羽生は男子で66年ぶりの連覇が懸かる個人種目にぶっつけ本番で臨むことになった。最後の試合は、今季2戦目となった昨年10月のロシア杯。約4カ月実戦から遠ざかり、試合勘の不足が懸念される。

 個人種目の男子SPは16日。団体戦のSPと中6日、フリーとは中3日しか空いておらず、いずれかのメンバーに選ばれると、厳しい日程間隔での演技を迫られていた。

 羽生は前回ソチ五輪で団体戦の男子SPに出場し、1位。その勢いを個人種目の金メダルにつなげたが、今回はけが明けで不安が残る体力面を優先した格好となった。

 一方で、日本スケート連盟によると、先月上旬に本格的な氷上練習を始めたばかり。得点源となる4回転ジャンプなど、課題を確認できないまま、本番に臨むことになる。

 羽生は平昌五輪代表入りに必須だった、昨年末の全日本選手権を欠場。その際、「けがなどで参加できない場合は、大会時の状態を見通しつつ、選考することがある」とした選考基準の特例にのっとり、代表に選出された。その後回復具合が不透明な状況が続いており、当時の日本連盟の判断が妥当だったのかが、個人種目の結果次第で問われそうだ。(原田遼)

中日新聞 東京新聞

※ご利用のブラウザのバージョンが古い場合、ページ等が正常に表示されない場合がございます。

Search | 検索