宇野、逆転負け2位 メダルへ難敵出現

2018年1月28日

男子フリー 演技する宇野昌磨=台北で(共同)

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◇四大陸選手権

▽最終日▽27日▽台北▽台北アリーナ▽男子フリー、エキシビション▽ペン・兼田康次、國島紗希

 平昌五輪代表の宇野昌磨(20)=トヨタ自動車、中京大=はショートプログラム(SP)で1位も、フリー197・45点にとどまり、合計297・94点で2位に終わった。優勝したのはフリー200・78点、合計300・95点の金博洋(中国)。同じ20歳のライバルに逆転で優勝を奪われたが、本番につながる内容に納得の表情を浮かべた。

 右の拳を突き上げるフィニッシュポーズを終えると、一気に両膝から崩れ落ちた。宇野は「安心した気持ちでした。後半のトーループができたことがうれしかった」。合計297・94点は今季3番目の高得点だったが、優勝は両足首痛から復帰した同い年の金博洋。平昌五輪に向けて難敵の出現ではある。だが、落ち込んではいなかった。

 金色をあしらったカラシ色の新衣装、髪形はオールバック。イメチェンして挑んだ舞台で課題を克服した。冒頭の4回転ループは着氷するも回転不足と判定され、続く4回転フリップは転倒。ここで崩れなかった。昨年末の課題だった4回転トーループからの連続ジャンプを含めた後半3つの連続ジャンプはすべて成功。演技構成を昨年の世界選手権銀メダル時に戻した効果はあった。

 「(冒頭の4回転)ループとフリップは失敗しても、何も考えずに後半に挑もうと思っていた」。失敗する可能性の高いジャンプだけに「フリップ(の失敗は)はジャンケンで負けたと」割り切って後半に入った。

 「結果は実力不足。達成感はないけど、ホッとした気持ちと、これがスタート地点として、もっとよくしたい」

 新年は初詣に行かず、成人式にも参加せずに練習に明け暮れた。全日本選手権で連覇したとはいえ、悔しい内容だったから新しい構成を体に染み込ませた。もう一つの理由は人混みを避けること。昨年11月からの不振の出発点はインフルエンザの発症。狂ってしまった歯車は、台湾でようやくかみ合った。

 ちなみに新衣装は今回限りで、ニューヘアは「(コーチに)やれと言われたので。気に入っていません」。自分らしく成長を続ける20歳は「成功率を上げて、質のいいジャンプをしたい」。団体戦のSPから個人戦への出場が予想される平昌五輪、完璧な演技ができれば同い年のライバルにも勝てる。

中スポ 東京中日スポーツ

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