川除、あすスキー距離10キロ 父は信じる「日本のエースに」

2018年3月16日

14日に行われたスキー距離スプリントで、力走する川除大輝=平昌で(田井勇輝撮影)

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 パラリンピック初出場で、17日にスキー距離10キロに臨む川除(かわよけ)大輝=富山県立雄山(おやま)高校2年。14日のスプリントを見守った父親の大輔さんは息子の姿に目を潤ませた。決勝進出は逃したが「力を出し切った」と話す川除を「よくやった」とねぎらった。

観客席から応援する父親の大輔さんら

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 生まれつき両手足の指の一部がない川除。幼いころ、「どうして僕は指が少ないの」と大輔さんに聞いた。「お母さんのおなかの中でけがをしたからだよ」と聞いた川除は「ふーん」とうなずいた。

 小学1年の時、サッカーの試合で、指のことをやじられた。悔しさから大泣きする川除を大輔さんが一喝した。「指が少なくても、何も変わらない。絶対に負けるな」。障害者であることを理由に卑屈になってほしくなかった。

 その後に始めたスキーで健常者と競い、高校のスキー部で全国大会に出場するほど実力をつけた川除。転んで試合に負けたり、思い通りにいかなかったりしても、障害を言い訳にすることはなくなった。

 「日本を背負うエースになってほしい」。一回り強くなった川除を家族で囲むのを楽しみにしている。 (田井勇輝)

中日新聞 東京新聞

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