佐藤、バイアスロン立位9位 20年東京へ「二刀流」奮闘

2018年3月14日

射撃する佐藤圭一=平昌(共同)

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 13日のバイアスロン立位12・5キロで9位に終わった佐藤圭一は「ミスは出たが、あきらめずに走り切れた」と前を向いた。2年前のリオデジャネイロ夏季大会ではトライアスロンに出場した夏冬の“二刀流”。二種目連続で9位に終わったが、このまま平昌を去るつもりはない。

 バイアスロンはスキー距離と射撃を組み合わせた競技。この日は強風のため、射撃でてこずった。上位争いに絡むため計20発を全て的中させたかったが、4発を外した。スキーでも軟らかくなった雪面で思うように滑れず、上位の欧米勢との差を広げられた。

 生まれつき左手首より先がない。25歳の時、会社を辞めて障害者スキーの世界に飛び込んだ。それ以来、自分に課してきたテーマがある。「人はどこまで強くなれるのか」

 冬季大会は3度目だが個人種目で入賞した経験はない。前回のソチ大会の後、「同じ練習をしても、同じ結果になるだけ」と、知人から紹介されたトライアスロンを始めた。

 心肺機能を徹底的に鍛えるために取り入れたトライアスロン。スキーで培った持久力を生かして実力をつけ、リオ大会に出場するまでに。結果は最下位だったが、「夏でも冬でもメダルを狙える選手になる」と気持ちを切り替え、平昌の雪原を見据えた。

 トライアスロンの効果で、終盤でも粘り強く滑れるようになった今大会。「次こそ、自分のベストパフォーマンスを見せたい」と残り2種目でのメダルを目指す。「日本代表に選ばれているので、結果を出して帰りたい」。その先に、2020年東京大会の舞台が待っている。 (田井勇輝)

中日新聞 東京新聞

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