狩野5位、3連覇逃す 「僕なりの滑りはできた」

2018年3月12日

男子スーパー大回転座位で5位だった狩野亮=平昌で(共同)

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 男子座位で3連覇を狙った狩野亮(マルハン)は5位に終わり、今大会の滑降で銀メダルを奪った森井大輝(トヨタ自動車)は8位。鈴木猛史(KYB)は13位で、夏目堅司(RDS)は途中棄権した。立位の三沢拓(SMBC日興証券)は15位、小池岳太(JTBコミュニケーションデザイン)は27位。(共同)

 一つのミスが命取りになった。アルペンスキー男子座位の狩野は、前日の滑降でも連覇ならず、得意の高速系種目でメダルなし。前回ソチ大会後も「金」にこだわり、進化を求め続けてきただけに悔しさは募るが、「僕なりの滑りはできた。4年間は無駄でなかった」と結果を受け止めた。

 レース中盤の緩斜面手前のカーブ。持ち前の鋭いターンが影を潜め、大きく膨らんで曲がった。1位とのタイム差は1秒62。「ミスがなければ1〜2秒は縮まった。もったいなかった」

 現役を続ける上で「将来のパラアスリートからスター選手が生まれる土台作り」を、大切な目標とする。

 自らが国際大会で活躍し、障害者競技の価値をもっと高めたい。そのために「現状に満足したくない」と、チェアスキーの改良にも積極的に取り組んできた。

 ヒントは平昌五輪男子滑降の金メダリスト、アクセルルント・スビンダル(ノルウェー)。昨年、南米チリでの合宿でノルウェーチームと練習場所が同じになり、間近で見たその滑りに驚いた。「起伏でもスキー板に圧がかかり続け、雪面から離れない」。スピードを保つ要因と分析し、帰国後、座席と板をつなぎ「膝」の役目をするサスペンションを固くし、力が加わり続けるようにした。

 気温が上がって荒れた斜面にてこずり、結果にはつながらなかった。しかし海外勢は苦もなく攻略している。滑走技術、スキーの性能−課題を痛感した。「その先を行かないといけない」。自ら課した「使命」を全うするため、残り3種目に全力で挑む。 (田井勇輝)

中日新聞 東京新聞

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