アイスホッケー、韓国に黒星 終了直前に一矢 巻き返し誓う

2018年3月11日

日本−韓国 第3ピリオド、ゴールを決める高橋(中)=江陵で(共同)

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 平昌冬季パラリンピック第2日の10日、パラアイスホッケーは1次リーグ第1戦が行われ、2010年バンクーバー大会銀メダルでB組の日本は開催国の韓国に1−4で敗れた。

 バイアスロンの男子7・5キロ視覚障害で、初出場の高村和人(盛岡視覚支援学校教)は15位だった。(共同)

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 2大会ぶりに戻ってきた大舞台は、甘くはなかった。パラアイスホッケー日本代表は格上の韓国相手に手痛い黒星発進。それでも試合終了直前に1点を返す意地を見せ、エースのFW熊谷昌治は「あきらめたわけではない。守りを徹底し、しっかり戦う」と巻き返しを誓った。

 第2ピリオドで先制され1点を追いかける展開。相手選手の反則退場で数的に有利なパワープレーができる時間帯も何度かあったが、シュートはことごとく外れ、GKに弾かれた。1点が遠いまま第3ピリオドで立て続けに3失点し、試合の流れを呼び込めなかった。主将のDF須藤悟は「どうしても勝たないといけなかった。攻めで焦りがあった」と肩を落とした。

 「初戦の韓国に勝つことが、メダルへの切符になる」。開会式の2日前に行われた記者会見で、中北浩仁監督はそう意気込んだ。グループリーグの残り2戦では強豪のアメリカ、昨秋の最終予選で唯一敗北したチェコが控える。大一番を落とし、バンクーバー大会以来のメダル獲得に、黄信号がともった。

 だがチームには今大会、「メダル獲得」以上に重要な戦いがある。競技の裾野を広げることだ。

 中北監督によると、現在、パラアイスホッケーの国内競技人口は30人ほど。2006年をピークに右肩下がりが続く。バンクーバーでの活躍も裾野拡大にはつながらず、前回の14年ロシア・ソチ大会では出場を逃し、DF上原大祐(だいすけ)らが一時、代表チームを離れた。

 その上原たちも競技の将来を案じ、平昌の最終予選前にチームに戻った。「復帰組」が予選突破を支え、再び日本を大舞台に引き上げた。「平昌でメダルをとって、競技の参加者を増やすきっかけにしたい」。同じ思いを胸に秘める限り、選手たちの戦いは終わらない。 (田井勇輝)

中日新聞 東京新聞

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