アルペン女子・村岡桃佳選手 成長認められ旗手に万感

2018年3月10日

平昌冬季パラリンピックの開会式で日本選手団の旗手を務めた村岡桃佳選手=9日、韓国・平昌で(共同)

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 【平昌(ピョンチャン)=神谷円香】「4年間の成長を認めてもらえた」−。9日開幕した韓国・平昌冬季パラリンピックの開会式で、日本選手団の旗手を務めたアルペンスキー女子座位の村岡桃佳選手(21)。支えてくれる人たちの期待を力に変え、勢いよく滑りだす。

 1月に旗手に決まった際、「行進の一番前で、あの光景を見せてもらえる」と喜んだ。「あの光景」とは、初出場した2014年の前回ロシア・ソチ大会の開会式。大勢の観客と華やかなパフォーマンスに感動した。平昌の舞台では、日の丸が揺れる観客席を笑顔で見上げ、右手を何度も振って声援に応えた。

 埼玉県深谷市出身で、4歳の時に横断性脊髄炎で下半身がまひし、車いす生活に。森井大輝(たいき)選手(37)らに憧れ、中学から本格的に競技スキーを始めた。高校2年で出たソチ大会で大回転5位、回転9位の成績を残し、15年、パラスポーツ選手として初めて早稲田大のトップアスリート入試に合格した。

 早大ではスキー部に所属し、受け入れのためバリアフリー工事が施された寮で、健常者の部員たちと共同生活する。入学が決まったときはスキー部に入るとは思わず、「個人で練習するのかな」と思っていた。寮では誰かがトレーニングをしていたり、走っていたりする姿がある。「自分も負けていられない」。共に頑張る仲間に恵まれ、ワールドカップ(W杯)で何度も表彰台を経験するなど、着実に成長してきた。

 障害者スキーの女子は選手層が薄く、座位は日本代表チームで村岡選手だけだ。森井選手ら男子からは妹のようにかわいがられるが、互いに競い合い、高め合える彼らの関係性がうらやましくもある。「もっと女子にも出てきてほしい」。そのためにも、平昌でメダルを手にしたい。

中日新聞 東京新聞

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