<カーリング>本橋ウルッ 銅メダル「重かった」
2018年2月26日
銅メダルを手に笑顔を見せるカーリング女子日本代表の(左から)藤沢、本橋、鈴木、吉田夕、吉田知(潟沼義樹撮影)=江陵で |
日本カーリング史上初の銅メダルを獲得した女子日本代表のLS北見が25日、メダル授与式に出席し、表彰台でメダルを受け取った。北海道なまりの「そだねー」や、第5エンド終わりに間食をとる「モグモグタイム」が注目を集めるなど日本国内で大フィーバーを巻き起こしたミラクルチーム。今度こそブームを一過性で終わらせないため、4年後は頂点を目指して戦っていく覚悟を示した。
手をつなぎ、笑顔で5人一緒にピョンと表彰台に跳びのった。日本初の快挙から一夜明け、待ちに待ったメダル授与式。「JAPAN」の名前が呼ばれると、本橋はこみ上げるものを抑え切れなかった。「メダルを掛けてもらう直前に涙があふれ出てしまった。それぐらい重みがあった」
2010年バンクーバー五輪後に、チーム青森を退部し、地元の北海道北見市常呂町に戻り、チームを立ち上げた。一度は出て行った身。「もう戻ってくるなと言われると思っていた」。それでも故郷は温かく受け入れてくれた。スポンサーゼロ、選手ゼロから始まった8年前を思うと、自然と涙腺が緩んだ。
これまでも4年に一度の五輪の度に、その戦略性の面白さから注目されてきたカーリング。ただ、その冬が終われば、マイナー競技に逆戻りし、ブームを競技普及につなげられないできた。だが、今回は違う。
「そだねー」など北海道なまりの相づちや、第5エンド終わりに間食をとる「モグモグタイム」も話題となったが、最後はきっちりメダルという結果も残した。藤沢は「みんな北海道なので自然にしゃべってるだけだった。そこまでなまってるのかって気付かなかった」と笑いつつ「北海道や青森、長野以外の人にもカーリングをやってもらえるいいきっかけになれば」と、今の状況をプラスに捉えた。
メダリストとして、今後も結果を残していく。4月にはワールドカーリングツアーのグランドスラム(カナダ)、5月には世界選手権代表権が懸かった国内選考会(常呂)に挑む。この日、観客席から決勝戦を見た藤沢は「あの場にいたかったなという思いが湧いた。この悔しさを忘れないようにしないと」と、4年後への思いを新たにした。授与式後、「首にずっしりきますね。こりそう」と、メダルを胸に笑い合った5人。その重みをしっかり受け止め、競技の未来を切り開いていく。 (大上謙吾)