過去最多のメダル「13」 氷上競技は強化戦略が奏功

2018年2月26日
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 日本選手団は25日、大会を総括する記者会見を開き、斎藤泰雄団長は「最強のチームジャパンであることを実証した」と語り、冬季五輪で最多となる13個のメダルを獲得した選手の活躍に胸を張った。

 躍進の原動力は、計9個のメダルをもたらした氷上競技だった。2連覇を果たしたフィギュアスケート男子の羽生結弦(ANA)や宇野昌磨(トヨタ自動車)、選手団主将を務める小平奈緒(相沢病院)らスピードスケート勢を中心に、実力者が期待通りの力を示して20年ぶりに最多メダル数を更新した。

 好成績の一因には2020年東京五輪開催決定を契機とした国の支援拡充や、日本オリンピック委員会(JOC)の新たな取り組みがある。13年9月に東京五輪の開催が決まると、政府は競技力向上に関する事業を中心に年々、予算を増額した。夏季だけでなく、冬季競技でも強化費などの支援が増え、遠征や合宿、コーチの配置などで活動の幅が広がった。

 前回ソチ五輪のメダルゼロから6個に増えたスピードスケートは、14年夏にナショナルチームを設立。トップ選手を一元的に強化し、各国の戦力が薄い団体追い抜きや新種目のマススタートに狙いを定めた戦略も功を奏した。

 一方、雪上競技はソチ五輪のメダル7個から4個に減少。フリースタイルスキー男子モーグルの原大智(日大)が大会前の低迷から一転、銅メダルを獲得したが、今季好調だったノルディックスキー・ジャンプ男子の小林潤志郎(雪印メグミルク)は平昌入り後は不振。ピークの合わせ方など事前調整の課題が浮き彫りになった。

 夏季競技に比べれば、冬季競技を取り巻く環境はまだ厳しいのも実情。活動費の確保も長年の課題として残る。JOCの強化本部長も務める山下泰裕副団長は、夏季競技においては強化拠点を東京都の味の素ナショナルトレーニングセンターに集中させて成功していることを挙げ、「冬の競技も練習に集中できる施設の充実を図っていく」と語った。 (平昌・上條憲也、原田遼)

中日新聞 東京新聞

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