躍動、次は東京 平和な未来の懸け橋に
2018年2月26日
平昌冬季五輪の閉会式で、入場行進する日本選手団=25日、共同 |
【平昌(ピョンチャン)=本社五輪取材団】17日間にわたって3000人近い選手らが熱戦を繰り広げた平昌冬季五輪が25日、フィナーレを迎えた。閉会式に臨んだ選手たちが、苦しかった日々や成果を発揮した最高の瞬間を思い起こす中、聖火が消えた。
午後8時に始まった閉会式。韓国の民族楽器などの音色を響かせた軽快なメロディーが寒空の下の五輪スタジアムを包み、3万5000人の観客を高揚させた。
続いて各国選手団の旗手が入場。日本は選手団主将で今大会、2つのメダルを獲得したスピードスケート女子の小平奈緒選手(31)が日の丸を持った。その後、選手らが、国・地域でまとまりながら思い思いにスタジアムを回った。
77人の日本の選手たちは解放感に包まれた表情。カーリング女子で初の銅メダルに輝いたLS北見のメンバーは、スマートフォンのカメラで記念撮影して楽しみ、羽生結弦(ゆづる)選手(23)や高木美帆選手(23)らメダリストも笑顔を浮かべて手を振った。
セレモニーは生と死のはざまの世界を表現。神聖な生き物とされる亀が登場し、プロジェクションマッピングで映し出された花びらの模様とともに幻想的な雰囲気を醸し出した。
五輪旗が次の開催地・北京の市長へと受け渡されると、全身を発光ダイオード(LED)で光らせた2匹の“パンダ”が登場。習近平国家主席の「北京で会いましょう」とのメッセージが流れた。
式の終盤、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が「スポーツが平和な未来の懸け橋になる」とあいさつ。小平選手や北朝鮮のフィギュアスケートペアのリョム・テオク選手ら数人がそばに並び、全員が片手の親指と人さし指を交差させ「ハートマーク」をつくった。氷の結晶が次々と聖火台に上っていく映像が流れた後、聖火は静かにその役目を終えた。
カーリング女子のLS北見の藤沢五月選手(26)は「閉会式は感動しました。楽しい大会になりました」と話し、小平選手は「素晴らしい大会でした」と笑顔を見せた。 (安福晋一郎)