<カーリング>韓国と延長死闘も決勝逃す 劇的同点も及ばず「悔しい」

2018年2月24日

延長戦の末に韓国に敗れ、相手選手と健闘をたたえ合う藤沢(右から2人目)ら=田中久雄撮影

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 女子準決勝でLS北見の日本は韓国に延長の末に7−8で敗れ、24日の3位決定戦に回った。男女を通じ初の表彰台を懸けて英国と対戦する。

 1次リーグを5勝4敗の4位で突破した日本は同1位の韓国に対し、4−7の第9エンドに2点を挙げ、第10エンドに1点をスチールして追い付いたが、延長の第11エンドで力尽きた。25日の決勝は、準決勝で英国を10−5で下したスウェーデンと韓国の顔合わせ。

 男子3位決定戦ではスイスがカナダを7−5で下し、銅メダルを獲得した。4−3の第7エンドに2点を挙げて突き放した。4連覇を逃したカナダは、1998年長野冬季五輪からの連続表彰台も5大会で途絶えた。 (共同)

 かすかな光のありかを探し続けた。幾度となく先の見えない窮地に追い込まれた日本だが、スキップ藤沢は「自分を信じ、チームを信じ、勝利を信じて戦った」。しのぎにしのいで第10エンドで追いつき、延長で力尽きたものの不屈の魂を見せつけた。

 気づけば円内には韓国の赤い石ばかりがたまっていく。時には二つ、多い時は三つ同時に自分たちの黄色の石がはじき出された。第1エンドでいきなり3失点し、その後も各エンドの前半で効果的な石の配置ができなかった。控えの本橋は「藤沢にショットが回った時点でかなり厳しい状況が続いた」と苦境を語る。

 それでも大黒柱が踏ん張った。赤のわずかな間をかき分け、黄色を円の中心へと軌道に乗せる。鈴木と吉田夕も必死のスイープで距離を稼いだ。第2エンド以降は相手に3点以上のエンドを作らせず、自分たちが有利な後攻で少しずつ点を重ねた。

 光は差し込んだ。1点を追う先攻の第10エンド。中心にあった黄色が韓国の最終ショットに押された。だが投げられた赤が不規則にはね、黄色より外に。望みがつながった。延長戦も抜群の精度と石の配分で相手の最終投まで重圧を与えた。

 3時間の激戦後、藤沢は目を真っ赤に腫らし、「悔しくて。いいゲームができたし、延長の最後のショットも、もうちょっと完璧にできた」。決勝進出の快挙こそ逃したが、3位決定戦が残る。「私たちらしく最後まで前向きに。ラスト一投まで戦う」と隣で本橋が話すと、藤沢の目からとめどなく涙があふれた。 (江陵・原田遼)

中日新聞 東京新聞

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