複合団体、日本4位 ジャンプ改善の暁斗「間違った選択したかも」

2018年2月23日

複合団体後半距離で4位でゴールしたアンカー渡部暁斗。手前は優勝のドイツチーム=平昌で(潟沼義樹撮影)

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 団体で渡部善斗(26)=北野建設、永井秀昭(34)=岐阜日野自動車、山元豪(23)=ダイチ、渡部暁斗(29)=北野建設=の日本は4位だった。前半飛躍(ヒルサイズ=HS142メートル)で3位につけたが、トップと19秒差でスタートした後半距離(20キロ)で順位を下げた。トップと6秒差の2位で出たドイツが逆転、個人2種目に続いて金メダルを獲得した。2連覇を狙ったノルウェーが2位、前半首位のオーストリアが3位だった。

◆差拡大「仕方ない」

 暁斗の挑戦はまたしても不完全燃焼で幕を閉じた。ジャンプをトップから19秒差の3位で折り返した日本は、距離で1つ順位を下げてメダル獲得はならなかった。2走まで2位集団に食らいついたが、3走の山元で一気に差を広げられた。絶望的な58秒7差でバトンを受けたアンカーの渡部暁は「仕方ない。山元は責任を感じて泣いていたけど、誰が走っても順位は変わらなかった。これが僕らの現状」と悔しさをにじませた。

 結果は前回のソチ五輪とほぼ同じだ。個人ノーマルヒルで銀メダルを獲得したのも一緒なら、今回5位だったラージヒルが前回6位で、4位だった団体戦は前回5位。

 「4年前と同じような結果。気分も一緒。銀メダルを取ってうれしいはずなのに、全然うれしくない。結局、何も変わらなかったのかなって」。むなしさが残った。

 「走力不足。そこを変えないとメダルは遠いかなと。(今季は)ジャンプを改善したけど走力が落ちた。間違った選択をしたのかもしれない」

 渡部暁の思いは日本複合陣全員にも当てはまる。この日は1走に渡部善、2走に永井と走力ある2人を配置。最後まで食らいついてアンカー勝負に持ち込む作戦を描いたが、2人とも終盤に突き放されて、後続への負担をかけた。試合後、河野孝典コーチは「今季はジャンプを立て直すために2回集中して練習した。それがうまくいってジャンプはよくなったが、クロスカントリーが…。完敗です」と説明した。

 今季W杯総合ランク1位の渡部暁は4年後、33歳になる。

 「山頂を目前にして1回引き返さないといけないのかな。1度下山して自分を見つめ直して。装備を整えて、登る準備をしようかなという感じ。これで総合(優勝)が取れたら、五輪に集中するかもしれない。とにかく今は精いっぱいやるしかない」

 「次こそ」の思いは一時封印して、残りのシーズンに全力を尽くす。 (兼田康次)

<渡部善> 「前に追いついた状態で永井さんに渡すのが理想だったので、ちょっと離れたのは作戦ミスだったが、ベストは尽くせた」

<永井> 「最後ちょっと離されて、次の山元に渡してしまったことに悔いは残るが、やるべきことはできた。悔しかったが、このチームで戦えたことを誇りに思う」

<山元> 「僕で大きく離されてしまったので、チームにも迷惑をかけたし、応援してくれる人たちにも申し訳ない気持ちでいっぱい。ジャンプでチームに貢献することはできたが、2つ合わせてコンバインド(複合)。まだコンバインド選手としては未完成」

◆暁斗、五輪直前に肋骨骨折していた

 ノルディックスキー複合個人ノーマルヒルで2大会連続の銀メダルに輝いた渡部暁斗(29)=北野建設=が、平昌五輪直前に左肋骨(ろっこつ)を骨折していたことが分かった。全日本スキー連盟(SAJ)が22日に明らかにした。(共同)

中スポ 東京中日スポーツ

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