
<西方仁也EYE>日本に焦り… 最後まで響いた葛西の不振
2018年2月21日団体戦は6位という残念な結果に終わった。前回大会は銀と銅の2つが取れて、今回はメダルなしに終わった。結果からすれば、実力不足と言われても仕方ないし、そういう部分は確かにある。
だが、完全にノルウェーやドイツ、ポーランドなどのトップチームに後れを取ってしまったかというと、実力差はそうはない。今回の団体にしても、全体的に踏み切りのタイミングが少しずれてしまっていた。いろいろな要因が考えられるが、そのうちの1つに、やはり精神的なあせりがあったと思う。ジャンプでは、感情が出すぎるとマイナスに働くことの方が多い。「メダルがほしい」とか「ここで大ジャンプをしてやる」とか「大丈夫かな、ちゃんと飛べるかな」という気持ちが出ると、それが微妙な動きの狂いにつながるのだ。
いい意味でも悪い意味でも、このチームはエース葛西の存在が大きい。葛西の調子がよければ、チームに自信を与え、前回大会のようにメダルが取れるし、不振なら6位に終わってしまう。
調子がよかった最年少の小林陵に、精神的支柱のような役割はまだ担えない。葛西の不振が最後まで響いた。北京に向けてどうやってチームをつくっていくのか。それが問われている。
(リレハンメル五輪団体銀メダリスト)
