小野塚5位 攻めた2回転半、完成度求め自分らしく

2018年2月20日

女子ハーフパイプ決勝3回目の演技を終え、天を仰ぐ小野塚彩那=平昌で(潟沼義樹撮影)

写真

 女子ハーフパイプ決勝で、前回ソチ五輪銅メダリストで昨年の世界選手権を制した小野塚彩那(石打丸山ク)は82・20点で5位だった。1回目は尻もちをついて50・80点、2回目は77・20点で、3回目はさらに得点を伸ばしたが、2大会連続の表彰台には届かなかった。

 キャシー・シャープ(カナダ)が95・80点で初優勝した。マリー・マルティノ(フランス)が92・60点で2大会連続の銀メダル。ブリタ・シガニー(米国)が91・60点で3位に入った。 (共同)

 前日の予選を5位で通過した直後から小野塚は決めていた。パイプの壁で繰り出す最初の演技は、予選で繰り出さなかった高難度の2回転半を跳ぶ、と。1回目から鮮やかに決めるなど果敢に攻めたが、2大会連続のメダルには届かなかった。

 2度目の五輪は5位に終わり「上位3人のレベルは圧倒的だった。そこに食らい付いていけるかだったので、もう少しだった」と悔しさをにじませつつ、「ベストを尽くした結果」と納得の表情を浮かべた。

 2016年3月。その年のワールドカップ(W杯)で全て表彰台に立ってきたが、シーズン最後の試合で初めて表彰台を逃した。「なぜ4位だったのか」。自身の向上のために試合後に審判に質問すると、こう教えてくれた。「2回転半が構成に入ってないからだよ」

 1回転半で挑んでいた当時も2回転半の練習はしていたが、成功率は低かった。本気になった。海外での合宿を繰り返し、習得に励んだ。言い聞かせたのは「寝て起きてうまくなっていたらいい。でも、寝て起きてもうまくはなってない。だから、ひたすらやる」。板をつかむグラブを入れて見せ方もこだわり、昨年3月の世界選手権では日本勢初の金メダルに輝いた。

 決勝では、もう一つの持ち味である後ろ向きに踏み切る「スイッチ」も安定感高く決めた。周りが縦回転を入れる中でも完成度を追い求め、「練習してきたことをやらずに終わるのは一番悔しかったので、それはしっかり出せた」と自分らしさを貫いた。 (平昌・上條憲也)

中日新聞 東京新聞

※ご利用のブラウザのバージョンが古い場合、ページ等が正常に表示されない場合がございます。

Search | 検索