「団体で理想のジャンプを」 竹内選手の父・亨さん

2018年2月20日
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 十九日のノルディックスキー・ジャンプ団体の出場選手に選ばれた飯山市出身の竹内択選手(30)=写真、北野建設=の父亨(とおる)さん(55)は、難病と闘いながら競技を続ける息子を傍らで見守ってきた。「以前より慌てなくなった」と息子の成長を感じる亨さんは、二大会連続のメダル獲得を目指す息子の健闘を願った。

 「育て方が悪かったのかなと、自分も妻も責任を感じた」。前回のソチ五輪直前の二〇一四年一月、竹内選手が全身の血管に炎症が起こる難病「チャーグ・ストラウス症候群」と診断されたのを振り返った。

 竹内選手は入院した長野赤十字病院(長野市)の病室にトレーニング機器を持ち込み、簡単な運動をこなした。亨さんは竹内選手の写真に金メダルを模した紙を張り、病室に飾った。「諦めるな」との思いを込めたといい「メダルを取るイメージを持ち、自分は大丈夫だと暗示をかける意味があった」と語る。

 竹内選手は周囲の支えでソチ五輪のジャンプ団体に出場し、銅メダル獲得に貢献した。「自分がもうちょっと飛べれば、メダルの色が変わっていた」と悔やむ姿に接した亨さんは「択は全力を出し、役割を果たした。でも飛びたいジャンプは飛べなかったようだ」と話す。

 平昌五輪では、個人ノーマルヒル(NH)の出場選手から漏れた。ラージヒル(LH)に出場して二十二位。団体でもメンバーに選ばれた。亨さんは「五輪はお祭りだし、本音では楽しんでもらいたい。でも択には目標がある。だから理想とするジャンプを飛んでほしい」と語った。

 (渡辺陽太郎)

中日新聞 東京新聞

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