大舞台かっこよかった、大学同期らねぎらう HP渡部由梨恵選手

2018年2月20日

中日新聞のニュースサイトで由梨恵さんの競技の結果を確認する柏原さん=札幌市の柏原さん宅で

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2014年5月、由梨恵選手(前列左)と暁斗選手(前列中央)の結婚を祝うため柏原さんの実家に集まった早大スキー部OBやOG=白馬村の柏原さんの実家で

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 平昌五輪のフリースタイルスキー女子ハーフパイプ(HP)に出場した白馬村スキークラブ所属の渡部由梨恵選手(29)は十九日、健闘及ばず予選落ちとなった。早稲田大スキー部時代の同期で白馬出身のクロスカントリー選手・柏原暢仁(のぶひと)さん(29)=札幌市=と、暢仁さんの妻で由梨恵選手の親友咲絵さん(29)は「お疲れさま」と声をそろえた。

 暢仁さんは陸上自衛隊員で、自衛隊体育学校に所属。二〇一七年二月の札幌冬季アジア大会の男子スプリント・クラシカルで銅メダルを獲得した。学生時代の由梨恵選手については「練習に熱心に取り組む姿が目に焼き付いている」と言う。

 スキー部の寮は埼玉県所沢市にある。部員の大半は地元のスポーツ科学部生などだが、由梨恵選手は教育学部生。多くの時間が、約三十キロ離れた都内への通学などに割かれた。

 「由梨恵は寮のトレーニング室で朝晩、独りでスクワットなどをしていた。遅れまいと必死だったんだろう」

 咲絵さんも、由梨恵選手と早大スキー部の同期。ともにアルペンスキーに励んだ。由梨恵選手は卒業後、HPに転向するが、「由梨恵の環境は恵まれてはいなかった」と振り返った。

 所属先企業が見つからず、アルバイトに精を出した。右膝靱帯を傷め、ソチ五輪への出場を逃した。でも、咲絵さんは由梨恵選手から不平を聞いたことはない。「五輪の舞台に立つ。秘めた思いを抱えていたんじゃないか」

 由梨恵選手は今回、力を出し切れなかったことへの悔しさを滲ませた。咲絵さんがLINE(ライン)で「お疲れ」と送ると、「五輪の舞台で戦えて良かった」などと返信が。暢仁さんも「大舞台の由梨恵はかっこよかった」とたたえる。

 由梨恵選手の夫は、ノルディックスキー複合・個人ノーマルヒルで二大会連続の銀メダルを獲得した暁斗選手(29)=北野建設。暢仁さんとは、白馬中でも同級生だった。

 由梨恵選手は一四年に、暁斗選手と結婚した。「由梨恵は暁斗にずばっと言う。暁斗も由梨恵には弱いところを見せられる」と咲絵さん。暢仁さんも「暁斗は、親みたいな心境で由梨恵の健闘を祈っていただろう」と二人に思いをはせた。

 暁斗選手は二十日、ノルディックスキー複合・個人ラージヒルに出場する。由梨恵選手から咲絵さんへのLINEには「後は暁斗に頑張ってもらおう」ともあった。

 咲絵さんは「由梨恵と一緒に暁斗を応援する」、暢仁さんも「暁斗には自分のやるべきことに集中してほしい」とエールを送った。

 (林啓太)

中日新聞 東京新聞

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