<倉本憲男EYE>ストーンの変化にも対応できるカナダの実力

2018年2月20日

第5エンド カナダの4点配置

写真

<女子 日本3−8カナダ>

 大会前、リーグ戦中に一度、石のメンテナンスが行われると発表されていた。メンテナンスでは、石の氷と接する部分(エッジ)が研磨され、石の動きがはっきりと違ってくる。チームはその対応力を問われることになる。前日試合をした男子たちも苦しんでいた。

 その影響が出たのが、1−2で迎えた第5エンドだった。日本の第1ストーンの周囲を、多くのカナダの石が囲んでいる状態。まだ中盤とあって、先攻のカナダには相手に1点を与えて次のエンドで有利な後攻を取るという選択もあった。だが、ハウス内に日本の石が少なく、失敗しても失点は少ないと判断、自分の石を利用してコースを変化させ、相手の石を弾き出す策を取った。日本の石を少しずらせば自分たちが第1ストーンを取れるという思惑だ。

 そして、カナダのスキップはピンポイントの位置に石を当て、日本の石だけを飛ばして4点獲得の配置をつくった。これは見事なショットだった。日本のスキップ・藤沢はこの直後のショットをショートさせた。メンテナンスの影響が出たのだろうか。カナダに4点が入った。世界ランク1位の実力を見せつけられた。

 しかし、日本はそこから立て直し、夜の試合で格上のスウェーデンに逆転勝ち。カナダ戦の反省を生かし、新たなコンディションに対応した。これで5勝2敗。初の準決勝が見えてきた。 (日本カーリング協会事務局長)

中スポ 東京中日スポーツ

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