低空飛行で失意の終幕 ジャンプ団体、上位と大差6位

2018年2月20日

ジャンプ団体の飛躍を終え、言葉を交わす葛西(左)と伊東=潟沼義樹撮影

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 ジャンプ男子団体(ヒルサイズ=HS142メートル)で、前回ソチ五輪銅メダルの竹内択(北野建設)伊東大貴(雪印メグミルク)葛西紀明(土屋ホーム)と、初出場の小林陵侑(土屋ホーム)で臨んだ日本は合計940・5点で6位だった。

 ノルウェーが1098・5点で初優勝した。

 日本は1回目に竹内が124メートル、伊東は126メートル、葛西は124メートル。小林陵が132・5メートルを飛んだものの6位の折り返しとなり、2回目も順位を上げられなかった。

 前回王者のドイツが1075・7点で2位、個人ラージヒルを2連覇したカミル・ストッフを擁するポーランドが1072・4点で3位に入った。 (共同)

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◆ベテラン頼み 大きな宿題

 リプレーを見るかのように、125メートルのK点付近で失速するベテランのジャンプが淡々と続いた。個人種目の雪辱を期した団体でも日本勢はメダル争いの蚊帳の外。巻き返しはならなかった。

 個人種目では向きがころころ変わる風に悩まされてきたが、伊東はこの日「今大会で一番落ち着いていて、技術勝負になる」と語った。1回目を終えて日本は6位で、メダル圏内まで65・4点の大差。状況が安定したことで、現時点の実力差をはっきり見せつけられた形になった。

 4人のうち、葛西と伊東はトリノから4大会連続、竹内も3大会続けての団体出場。前回ソチ五輪で銅メダルを獲得した経験豊富な3人をそろえたが、いずれも距離は伸ばせなかった。21歳の小林陵が唯一130メートル台をそろえ、安定感を見せた。

 エース格の不振という誤算もあった。今季ワールドカップ(W杯)で初勝利を挙げ、ランキング8位で臨んだ小林潤志郎(雪印メグミルク)が個人2種目とも下位に終わった。助走途中で左足が沈む感覚があるというレーンに適応できず、団体メンバーから外さざるを得なかった。

 メダルを争ったノルウェーやドイツをはじめ、欧州勢は若手が順調に台頭。一方で、日本は小林兄弟ら五輪代表を追う立場の若手がW杯に常時参戦しておらず、一線での経験を積めていない。メダルなしに終わった今大会を苦い薬として、再浮上へのきっかけをつかめるだろうか。 (平昌・上條憲也)

中日新聞 東京新聞

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