<アンニョン> 大技のリスク

2018年2月19日

 世紀の一戦となったスノーボード・ハーフパイプ(HP)男子。注目された平野歩夢選手とショーン・ホワイト選手の4回転の連続技対決のように、高難度化するスノーボードやフリースタイルスキーの回転技は雪に映え、会場はそのたびに大歓声が湧く。

 一方で、はらむのがけがのリスク。昨年、平野選手が腹部に重傷を負ったのは4回転に挑んだ時。ホワイト選手も昨年、顔を六十針以上縫うけがをした。五輪のHP決勝舞台では戸塚優斗選手が転倒し、大事に至らずも病院に搬送された。

 スキーのHPでは六年前、女子で第一人者だったカナダのサラ・バーク選手が練習中に頭を打って命を失った。二十九歳だった。

 彼女と同じ種目でトップクラスに立つ小野塚彩那選手は「彼女には尊敬の念しかない」としのびながら、無事に滑りきることを頭に限界に挑む。それでも昨年、脳振とうを負った。トップレベルの争い。宙を高く舞い、両足が雪面をつかむことがいかに難しいことか。

 (上條憲也)

中日新聞 東京新聞

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