初出場の16歳山本は20位予選敗退 4年後へ一歩

2018年2月19日

男子スロープスタイル予選 ジャンプする山本泰成=共同

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 男子スロープスタイルは決勝でエイステイン・ブローテン(ノルウェー)が95・00点をマークして初優勝した。ソチ五輪銅メダルのニコラス・ゲーパー(米国)が2位に入った。16歳の山本泰成(尾瀬ク)は70・40点で予選敗退し、20位。

 男子エアリアルはオレクサンドル・アブラメンコ(ウクライナ)が128・51点で初の金メダルをつかんだ。 (共同)

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 前回ソチ大会から採用された新興種目で日本男子として五輪初出場となった山本。決勝は逃したものの、予選2回の滑りは、元気いっぱいの演技で派手なガッツポーズも見せた。「人生で一番の大舞台、めっちゃ楽しかった」。東京・江東区出身の16歳は何度も喜びをかみしめた。

 両手にストックを持つ選手が大半の中、山本は動きを表現しようとあえて持たない。雪上に手を突きながら体を回転させる技や、空中で板をしっかりつかむ「グラブ」を見せるためだ。その分、グラブの完成度が求められるが、後半三つ連なるキッカーでは、縦に2回転しながら横3回転などでグラブを入れ「満足いく演技ができた」と胸を張った。

 そのグローブは試合後、擦り切れてボロボロだった。現地での公式練習から使い始めた新品だが「グラブをしてだんだん切れて、切れたなーと思っていたら、ここまできた。ちょっと隠さないと」。照れくさそうに話しながらも、板と雪をしっかりつかんだ努力の証しだ。戦友を見つめ「記念のグローブです」と笑う。

 4歳でスキーに出合い、自由な演技が魅力のフリースタイルにはまった。日本の競技人口はまだ少ないが、国内外で評価が高い日本の逸材。4年後に向け、16歳は「もっとレベルアップして、みんなが知っている山本になりたい」。大きな一歩を踏み出した。 (上條憲也)

中日新聞 東京新聞

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